音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

雑記

「伝統」を学び,真の「オリジナル」に達したマイルズ・デイビス

以前,「ロッキング・オン」の記事で,「ロック・ミュージシャンが好きなジャズのアルバム」みたいな特集があって,一位に選ばれていたのがマイルズ・デイビスの「ビッチェズ・ブリュー」だった。 BITCHES BREW アーティスト:DAVIS, MILES Columbia Amazon …

YMOとメタファイヴの「制服」比較から,内包されたメッセージを読み解く

朝から仕事をしながら,YMOの「パブリック・プレッシャー」(1980年)とメタファイヴの「METAATEM」(2022年)を繰り返し聴いている。 sisoa.hatenablog.com 最近,YMOのメンバーが着ていた「人民服」についての考察記事を書いたせいで,高橋幸宏関連のCDを聴く…

「音楽と服」のもと

昨日,「読書ノート」を一冊つけ終わった。 この一冊に要した期間は,今年の6月26日から10月8日まで。 約3ヶ月か。 平均的なペースと言ってもよいだろう。 私は2016年の9月から,かれこれ6年以上,毎日ノートをつけ続けている。 この習慣を始めてからは,1…

プライベート・アイズ

今はどうか知らないが,私の学生時代にはやたらと洋楽のオムニバスCDが売れていた。 「ダンス・ヒッツ」や「70sロック・ヒッツ」など,大衆受けするようなロックやダンス・ナンバーなどを集めた企画物がよく出ていた。 私はそういったCDにはほとんど手を出し…

YMOの「人民服」が私たちに語りかけること

今月の「メンズ・ファッジ」をパラパラとめくっていると,「カルチャー」のページに紹介されている本に目が留まった。 その本のタイトルは,「音楽とファッション」。 音楽とファッション 6つの現代的視点 作者:青野 賢一 リットーミュージック Amazon まさ…

トム・ヨークって実は物凄くお洒落だったという話

私が大学生の頃,レディオヘッドは世界一影響力のあるバンドだった。 村上春樹の小説「海辺のカフカ」でも,家出したカフカ少年は「レイディオ・ヘッド」を愛聴していた。 だから私も彼らの音楽を理解したいと思って,当時代表作とされていた「OK Computer」…

ローデッド!!

最近,一日の中で音楽に触れる時間は,早朝に仕事をする時間帯と,通勤,退勤時にカーラジオを聴く時間に限られている。 早朝の時間帯はあまり音量を上げると近所迷惑だし家族も起きてしまうので,かなり絞っている。 そのため,BGMとしてあまり耳に残らず,…

ジョンに憧れたリアム

オアシスはいくつかライブDVDを出しているが,2000年夏にウェンブリースタジアムで行われたライブの様子を収録した「ファミリアー・トゥ・ミリオンズ」は同名でCD化もされ,オアシスファンにとっては最も馴染み深いライブ盤と言えるのではないだろうか。 こ…

秋になったらスピッツを聴きたくなる

なぜでしょう。 スピッツを聴きたくなるのは,決まって涼しくなってきてから。 事実,スピッツ関連の記事を書くのは半年ぶりくらいじゃなかろうか。 sisoa.hatenablog.com これまでスピッツ関連の記事は沢山書いてきたが,何故か「ファッション」の観点では…

「ビートルズと服」の8年間

初めて買ったビートルズのCDは,「1」であった。 久々のオフィシャルベストということで,当時結構話題になり,久米宏さんがメインキャスターを務めていた「ニュースステーション」では,2週間ほど特集が組まれた程だ。 それは,アルバムに収録されたビート…

Do you Remember?

「Do you Remember?」 運転中にカーラジオを聴いていると,ナビゲーターが突然,私に呼びかけた。 そのフレーズからすぐにその意図を察した私は 「くるな。」 と身構えて待ったが,「あの曲」はかからない。 再びナビゲーターが問いかける。 「Do you Remem…

ロック・アーティスト秋めきファッション3選

ようやく朝夕に涼しさが感じられるようになってきた。 この記事を書いているのも早朝だが,冷房はつけていない。 昨日,子どもたちを連れて立ち寄ったコンビニで買った「メンズ・ファッジ」最新号も特集は「この秋,ちょっと”やんちゃ”が面白い」。 いよいよ…

ブラーの成長と「罪の意識」

夏が過ぎ去ってしまった。 現在台風が北上中で,早朝からおどろおどろしい風のうねりが聞こえているが,もうじきやむことだろう。 この台風が過ぎれば,いよいよ秋めいてくるのではないだろうか。 ところで夏の盛りの頃,一枚のアルバムを購入していた。 そ…

21世紀の「ラジオスターの悲劇」

先日,夕方の情報番組を何ともなしに見ていたら,一風変わった始業式のことを報じていた。 不登校の子どもたちが,アバターとして自宅のPCからバーチャル登校するという取り組みだ。 RPGのゲームのような画面上で,自身のアバターを操作して「登校」し,授業…

憧れの2トーン・スカ

最近,チャック・ベリーが亡くなった。 言わずと知れたロック開祖の一人であり,ビートルズやローリングストーンズらに多大な影響を与えたギタリストだ。 ストーンズのキース・リチャーズなんかも,少年時代からチャック・ベリーやリトル・リチャードらに憧…

グッバイ,青春

トレッキングシューズが壊れた。 先日,とあると事情で登山をすることになって,久しぶりに靴棚から出して履いて行ったのだが,写真でお分かりの通り,ソールがつま先の部分から剥がれ,無残にも壊れているのが確認できる。 七合目あたりで,やたらに靴の底…

1989年のThe Stone Rosesは,現在のトレンドの源流である説

誰しも,これまでの人生における「忘れられない一枚」があるのではなかろうか。私にとってのそれは,ザ・ストーン・ローゼズの「 THE STONE ROSES」である。このアルバムの魅力を言葉で表現するのはなかなか難しい。音の輪郭ははっきりしていないし,ボーカ…

1970年代,世界で最も影響力のあるファッション・アイコンだったキース・リチャーズ

先日,博多駅の大型書店を訪れたら,ずっと探していた「ロッキング・オン」の最新刊がようやく見つかった。 「JAPAN」は小さい書店の音楽コーナーに置いてあることも多いが,「ロッキング・オン」は最近ではまず見かけない。 タワーレコードなどの大型CDショ…

ポップ・ミュージックの本質を射抜くベックの矜持

最近,ケンドリック・ラマーのアルバムを聴いている。 ヒップ・ホップだけは,昔からどうも食わず嫌いしていたのだが,ここ数年のポップ・ミュージックの動向を見ていると,どうにもそこはスルー出来ないと思うようになったからだ。 デヴィッド・ボウイも,…

あの夏の「To be with you」

高校最後の夏休み。 私が通っていた高校は,地元では一応名門として認知される学校だった。 ただそれも地元の人たちの感覚で,偏差値がそこまで高いわけではなく,あくまで「田舎の名門」というくらいのレベルだった。 まあそれでも,大半の生徒が受験勉強を…

「ブルース」でつながるジャック・ホワイト~ザ・ローリング・ストーンズ

8月になってからずっと,ジャック・ホワイトが今年になってリリースした二枚のアルバムを聴いている。 sisoa.hatenablog.com ジャック自身も語っていたが,この二枚の作品は対になっている。 最初に出た「Fear of the Dawn」 では激しいギター・リフをかき…

日本人は四つ打ちのビートが好きな民族なのです。なぜなら

私はこれまで,フジロックなどのフェスも含め,洋邦問わず多くのアーティストのライブに何回も足を運んできた。 数が多いので,当然心残りなことはいくつかあるのだが,その中でも一番の後悔が2008年のフジロックだ。 その後悔とはこの年,二日目のヘッドラ…

80年代デヴィッド・ボウイのファッションと現在のトレンドとの共通点を探る

ラルフローレンの公式LINEから,新着メールが届いていた。 そろそろ秋物の提案が始まっているようだ。 ラルフローレンと言えば,ドレスシャツ,カジュアルシャツもラインナップは豊富。 ラルフローレンLINE公式より引用 ラルフローレンのストライプシャツっ…

ロックの神様は「持っていない奴」に微笑む

夏の 甲子園が始まった。コロナで家にいるしかないので,ずっとテレビを観ている。開会式の後,始球式があったのだけど,出てきたのが斎藤佑樹だった。ハンカチ王子だ。2006年の夏,田中将大との投げ合いを制して一躍国民的ヒーローになった佑ちゃん。内角高…

「青の男」ジャック・ホワイトが鳴らし続けるギターロック

ジャック・ホワイトと言えば,若いロックリスナーからすると,今年のフジロックでヘッドライナーを務めた,シンガーソングライターなんだけど,やたらギターノイズの激しいおじさんって感じか。 そこそこ年齢のいったロックリスナーなら,「あのホワイトス…

コロナ・ロック・プレイリスト~ポール・マッカートニー「NEW」~

コロナ陽性になった。 一昨日から鼻水,関節痛がひどいと思っていたが,昨日検査して即陽性が判明。 しかも息子2人と妻も陽性。 4歳の次男だけは平熱で元気だったので検査を免れたが,そもそも彼が月曜に発熱していたから,おそらく感染源だろう。 つまり仲…

フジロック戦記2022

地下鉄福岡空港駅の改札をくぐる。 時計を確認すると,18時10分だった。 19時発の羽田行きまであと50分ある。 よし,間に合う。 背中に背負ったノース・フェイスのバックパックは肩に食い込み,右手には折り畳みテント,左肩には折り畳み椅子を下げ,木曜ま…

Dreams

「本物の自分?そんなの,いるのかな?一生,みつからないんじゃないのかな。」 短くなった煙草を灰皿でもみ消しながら,編集長は呟いた。 その目は,向かい合わせに座っている私ではなく,どこか遠い一点を見つめている。 茶色のチェックのジャケットに,少…

2000年以降の音楽ムーヴメントとファッショントレンドについての考察

これまで,当ブログでは,60年代後半のヒッピー・ムーヴメントや,90年代前半のブリットポップ・ムーヴメント等とファッショントレンドの関係性について記事にしてきた。 sisoa.hatenablog.com sisoa.hatenablog.com 言わずもがな,音楽のムーヴメントとフ…

音楽業界のこれからについて勝手に想像してみた

先日,夕方カーラジオを聴きながら帰宅していると,パーソナリティーが音楽業界の今後について,私見を述べていた。 「僕は最終的には音楽ってライブという形態だけが残ると思うんですよね。最終的にはですよ。」 ミュージシャンでもあるそのパーソナリティ…