音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

風呂部だった頃

今週のお題「お風呂での過ごし方」


「風呂部」なるものを結成したのは,新卒1年目のことだった。

メンバーは,大学で同じゼミだったWと,同じ学科でクラスも同じだったKに私。

活動内容としては,県内の温泉施設やスーパー銭湯を巡り,アフターにご飯を食べて解散,という流れ。

活動頻度は不定期だが,大体2週間に1度くらいは集まっていた。

風呂部には序列が存在し,Wが部長,Kが副部長兼運転手,私が三下という扱いだった。単に加入が一番最後だったので最下位に置かれたということで,たまにオチとしていじられていたが,基本的には皆同い年だし和気藹々と活動していた。


正直,風呂部に加入するまでの私は風呂そのものがあまり好きではなかった。

温泉に行っても露天風呂に浸かるくらいのものだったが,風呂部ではまず「サウナ〜水風呂往復」の作法を叩き込まれた。

温泉好きの人の多くは,この習慣をお持ちなのではないかと思う。

私も,この作法を覚えてから風呂にはまった。


①まずはかかり湯。その後,軽く屋内の湯船に浸かる。

②体をよく拭き,塩サウナへ。塩を体にぬり込み,汗を出す。

③サウナを出たらシャワーかかけ湯で体についた汗と塩を落とし,水風呂へ。

④水風呂から上がり,体をよく拭いたら今度は遠赤外線サウナへ。10分ほど入って汗を出す。

⑤汗をよく流して水風呂へ。


この後は④と⑤のサイクルを2,3回ほど繰り返す。

はじめに塩サウナに行くのは,塩サウナはやや低温な所が多いため。なおかつ,塩による発汗効果で体をならす。


遠赤サウナと水風呂の往復は,もうはまったらその気持ちよさは私の文章力では語り尽くせない。

最初は水の冷たさで体が強張るが,肩まで浸かった時に,頭の先までツウっと抜けるような感覚があって,いつも言葉にならない声を出てしまう。


サウナで汗をかいている時には,忍耐も必要だが,頑張ればその分水風呂では天国へ行ける(我慢し過ぎると本当に天国へ行ってしまうので気をつけていただきたい)。


風呂部では色々な温泉を巡った。

街中にある学生ばかりのスーパー銭湯

国道沿いにある巨大な温泉娯楽施設。

山中にある秘湯。


そのうち,部長のWが転勤で沖縄に行ってしまい,風呂部はKと私の二人になった。

それでも,むしろ頻度を週1くらいに上げて活動を続けた。

Kとは,その後毎年フジロックに一緒に行くようになるくらい,二人とも音楽好きだったので,風呂から上がって縁側で一服している時など,さまざまな音楽談義をした。


当時よく聴いていたのが,ジャック・ホワイトがブレンダン・ベンソンらと結成した「ラカンターズ」。

30分くらいの短いアルバムだ。

物凄くタイトで,エネルギッシュなサウンドで聴く者のハートを鷲掴みにする。

私はこのアルバムがきっかけで,ジャック・ホワイトにはまった。


もう一枚,忘れられないのが,ストーン・ローゼズの1st。

当時,初めての車を買った。

10年落ちのスズキ・ジムニーだ。

2000年代後半で10年落ちだから,生産は90年代後半。マニュアル車だったが,あちこちガタがきていてボンネットから煙を出したのも一度や二度ではない。


このボロのジムニーに乗って,一人で山中の秘湯に通っている時に,中古自動車屋がサービスでつけてくれたカーステでよくストーン・ローゼズのアルバムをかけていた。

クーラーがほとんど効かないので,窓はいつも全開だ。

しんとした山中の空気感と,ローゼズの楽曲がもつふわふわとした空気感が不思議とマッチして,飽きることなくリピートしていた。



今ではほとんど活動休止状態になってしまっている風呂部だが,子育てがひと段落して,コロナも落ち着いたらまた,集まって語り合いたいと思う。

その日はそう遠くないと願いたい。


ブログコンセプトは「音楽と服」なのに,風呂では服着ないし,全然関係ないじゃないか!とお叱りの声を受けそうですが,お題の「風呂」というワードに反応せずにはいられませんでした。

ご容赦下さい。


それにしても。

風呂上がりのコーヒー牛乳(瓶のやつ)って,世界一美味いと思いませんか?