音楽と服

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カサビアンの復活から「グルーヴ」について考える

まずは一報!

カサビアン大復活!

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補足説明しておくと,カサビアンは2000年代初頭からイギリスを中心に活動しているロックバンド。

1st「KASABIAN」から世界的にブレイクし,日本のフェスでも入場規制になるほどの人気ぶりだった。

数年前にバンドのフロントマンであったトム・ミーガンが脱退して存続の危機に瀕していたが,ツインボーカルとしてトムと共にバンドを牽引してきたサージ・ピッツォーノが中心を担い,新曲を擁してのUKツアーは大盛況だった模様。

 

彼らの一番の魅力は,不敵なビートと,グルーヴ感。


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まるで地下室でよからぬことをしているかのような妖しい雰囲気と,それでいて思わず口ずさみたくなるようなメロディライン。

個人的には2分過ぎから入ってくる電子音に,彼らならではのグルーヴ感を感じて,この曲には結構はまった。

 

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「グルーヴ」

Wiki検索してみると,以下のような記述があった。

グルーヴgroove)とは音楽用語のひとつ。形容詞はグルーヴィーgroovy)。ある種の高揚感を指す言葉であるが、具体的な定義は決まっていない。

(中略)1.用語としてのグルーヴは、2000年頃から広く使われ始めた。2.日本におけるグルーヴの概念や語義を、アンケートや先行研究を元に探った。その結果、体の動きやテンポ、低音の強調、一体感などと関係していた。3.音楽聴取の実験を通じて、グルーヴがどのような感覚と近いか調べた。その結果、関係が深かったのは「ノリ」や「一体感」、「心が弾む」「テンポが速い」「体でリズムを感じられる」などであった。

 

とても個人的なことなのだけど,上のような定義で言う「グルーヴ」のある曲をつくっているアーティストを好んで聴いているんだなーと最近気づいた。

 

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上記のカサビアンがそうだが,他には例えばローリングストーンズなんかはまさにグルーヴィーなロックバンドの代表格ではなかろうか。

ストーンズで特にグルーヴを感じる曲はこれ,「ギミー・シェルター」。


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うねるようなギターと,ミックのねちっこいボーカル,それに絡むコーラスが絶妙な高揚感を演出している。

 

ストーンズのギタリスト,キース・リチャーズがどこかの音楽雑誌のインタビューに

 

「最近のバンドはロックしているかも知れないが,ロールしている奴らはほとんどいない。」

 

と発言していたが,彼の言う「ロール」とは「グルーヴ」を言い換えた表現ではないのかとも捉えられる。

 

ストーンズのルーツはブラックミュージックにあるとされているので,そのあたりにも彼らのもつグルーヴ感のヒントが隠されているのかも知れない。

 

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もう一つ,「グルーヴ」と言うと私の中で外してはいけないバンドがある。

それがハッピーマンデーズだ。

バンド名は勿論,ニューオーダーの名曲「ブルーマンデー」に対する洒落から来ている。

 

このハッピーマンデーズ,略称ハピマンは私が初めて参戦したフジロック06において,3日間のフェスを締めくくるクロージングアクトとしてグリーンステージに登場した。

私自身もこの時初めて「ハッピーマンデーズ」というバンドを知った。

このステージは衝撃だった。

 

ボーカルのショーン・ライダーは坊主頭に革ジャン,白シャツという出で立ちで,ビールを飲みながらステージを行ったり来たりして気ままに歌う。

メンバーにはマラカスを適当に振って踊るだけの奴(ベズ)がいる。

 

すんごく適当な感じなのだけど,不思議と彼らの鳴らす音にはグルーヴがあった。


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1分30秒過ぎから始まるサビ部分は必聴。

ショーンのがなり立てるようなボーカルと,地を這うように気持ちよく抜けていくギターとコーラスの絡みが,心地よさを増幅させてくれる。

 

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結局「グルーヴ」とは,「気持ちよさ」のことなのだろうなと思う。

 

先に引用したWikipediaからの文にも「低音の強調」という記述がある。

グルーヴのあるバンドや曲は,低音の使い方が非常にうまいなと感じることが多い。 

 

もう一つ。

グルーヴの感じられる曲は,キャッチーさはあまりない反面,飽きにくい。

ハマったら長く聴き続けられる曲が多い。

じんわりとよさが分かってくる感じだ。

 

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ここまで書いてきて,日本人のアーティストやバンドで,グルーヴのある音を鳴らしてるのは誰かな?と考えていたのだが,私の乏しい音楽知識の中からは出てこなかった。

 

サカナクションはどちらかと言うとテンポ重視で瞬発力のある印象だし,BUMP OF CHICKENは歌詞によりフォーカスした,抒情的な印象のほうが強い。

 

ストーンズのルーツがブラックミュージックにあるように,そのアーティストの背景にある音楽が大きく関係しているのでしょうね。

 

久しぶりに聴いたカサビアンの新譜がとてもクールだったので,思ったことを徒然なるままに書いてみました。

ブリブリのグルーヴ感。


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それでは,よい日曜日を!

そして,よき月曜日(Happy Monday)になりますように。