今,再びブリットポップ期のファッションが熱い
愛読している「メンズ・ファッジ」,今月号の特集は「いつでも僕らは"ヨーロッパかぶれ"」だった。
イギリス,イタリア,フランスなどヨーロッパ各国のトレンド動向をチェックし,お国柄に合わせた着こなしを紹介している。
イギリスを取り上げた記事の中で,「ラフな格好の若者が巻き起こしたブリットポップムーブメント」という項があり,気取りのないブリットポップ期のカジュアルなファッションが時を経た今,めちゃくちゃ格好いいらしいということが書かれていた。
ふーんそうなんだと思いつつページを捲ると,ブリットポップ期の若者をなぞらえた着こなし例が載っていた。
例えばこんな格好(※①)。
「ロンズデール」のTシャツにミリタリージャケットを合わせたスタイル。
確かに,このTシャツは当時のアーティストがよく着ていたようで,当時のインタビュー記事なんかでよく見かけた。
この頃の流行も,全体的にルーズフィットな印象だったから,今また気分なのも分からなくはない。
また,こんな格好(※②)。
フレッドペリーのポロシャツに,裏地チェックのブルゾン。
フレッドペリーは普遍的なアイテムと言っていいが,ブルゾンはなかなか難易度が高いアイテムだ。
時代によってはクールになることもあれば,間違えるととんでもなくダサく見える。
実家にも,この写真と同じような父のブルゾンがあったから,私も大学時代に挑戦してみようとしたが,全く着こなせなかった苦い思い出がある。
今,再びブリットポップ期のファッションが熱いらしい。
では,当時のアーティストたちは実際どんな格好をしていたのか?
当時の写真をもとに検証をしてみようと思う。
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1 オアシス
ブリットポップ期のオアシスというのは,お世辞にもあまりお洒落に関心があるようには見えない。
「襤褸(ボロ)は着てても心は錦」という日本の諺もあるけど,
「見てくれなんかよりも,音楽で言わせてやるんだよ!ブラーみたいに見た目ばっかり気にしてやがるキザ野郎になるのはまっぴらゴメンだね!」
みたいなセリフを当時のリアムやノエルが吐いていたかは分からないが,似たようなことは多分メディアに喋っていたはずだ。
当時の彼らのファッションについては過去記事でも紹介しています。
上の写真は,3作目「ビィ・ヒア・ナウ」時のものだから,95~96年ということになる。
時期的にブリットポップ終焉間近と言えそうだが,お洒落にあまり関心がない分,もっとも流行に影響を受けているのが当時のオアシスだといえそう。
この後紹介するブラーやポール・ウェラーなんかは,わりと自分たちのスタイルを持っていたから,流行とは少し距離を置いた地点で,自分たちの見せ方を考えていたように思えるからだ。
写真を見ていくと,向かって右から2人目のノエルは,ポロシャツの上にブルゾンを羽織っていて,※②のスタイルに近い。
右端のアラン・ホワイトも,ポロシャツにGジャンというコーディネートだ。
全体的に皆オーバーサイジングで,当時の流行をうかがい知ることができる。
2 ブラー
ブラーはオアシスと比べて,ファッション的にはより洗練された印象が強い。
当ブログを立ち上げたときの最初の記事も,ブラーの90年代初期のファッションについての検証だった。
上に紹介している写真は,94年のアルバム「パークライフ」のミュージックビデオの撮影時の1ショット。
三人乗り自転車に跨ろうと微笑むデーモン(右端)は体にフィットするロングTシャツからベルトをチラ見せ,タイトなジーンズもスマートに着こなしている。
中央のグレアムは,ボーダーTシャツに丈の短いジーンズにローファーを合わせるというハイセンスファッション。
というか,彼らのファッションは,おそらくどんな時代でも「格好いい」と思えそうな普遍的な印象を受ける。
・計算されたシルエットであること
・シンプル(無地やボーダー)であること
これらのポイントは,流行がどうあれ服を選ぶ上では大切な要素だろう。
そういえば,グレアムは2009年の復活ライブの時も上の写真と同じような格好(ボーダーTにタイトなスラックス)をしていたが,時を経てもそのスタイルは全く色褪せていないどころか,より渋みを増していた。
3 ポール・ウェラー
ポール・ウェラーもUK屈指のお洒落アーティストとして,リスペクトを集めてきた。
当ブログでも,彼の80年代スタカン時代のトレンチコートスタイルの秀逸さを紹介している。
そんなポール・ウェラーのブリットポップ期のファッションはどうか。
当時30代を迎えていたウェラーの着こなしは,丈の長い黒ジャケットに白いスラックス,黒いブーツ。
全体的にゆったりとした印象だが,白黒中心の色味といい丈感,シルエットについては非常によく考えられているのが伝わってくる。
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今またブリットポップ期のファッションが熱い!
ということで,当時のアーティストの装いを振り返ってみたけど,結果的に今でも格好いいと思えるのは,あまり流行りに流されずに自分たちのスタイルを持っていた人たちというとなのだろう。
ブラーの2009年の復活ライブの写真ありました。
右から2人目がグレアム。
同じボーダーTだけど,時を経ても普遍的な格好よさがあります。
春一番が吹いて,春が来ましたね。
ボーダーTに白いスニーカーが合う季節になりました。
新しい季節はいつでも胸が躍ります。