90年代奥田民生のファッションと現在のトレンドを比較する
前々回の記事では,「メンズ・ファッジ」の6月号を見ながら現在のトレンドとひと昔前のファッションとの共通点や相違点を検証していった。
今日も日中からゴロゴロしつつページを捲りながら,前々から思っていたことを確かめてみようと思った。
何かと言うと,ここ数年の「ゆるカジ」的なファッションの在り方と,最近バンドTがまた流行り出したように,少し派手さを加えた現在のトレンドの方向性が,90年代前半のトレンドと似通ってきたのではないのかなあということだ。
以前も現在のトレンドと,90年代ブリットポップ期のファッション考察をしたことがある。
で,私は思ったのだ。
「メンズ・ファッジ」のモデルは全員外国の方だ。
そのため,自然と海外のアーティストとのファッション比較ばかりになってしまっていたのだが,日本人アーティストはどうだったのだろうか?
ということで,80年代後半から90年代前半にかけてシーンを牽引した日本人アーティストのファッションと現在のトレンドを比較してみようと思う。
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「メンズ・ファッジ」に載っていた着こなし例の一つ,総柄シャツを使った装い。
個人的には結構好きですね。
そろそろ無地にも飽きてきましたしね。
80年代から90年代のJロックシーンにおいて,唯一無二の存在感を放った男と言えば,ユニコーンの奥田民生。
彼のファッションは昔から一貫して,ゆるくてカジュアルで,脱力な印象。
アルバム「ケダモノの嵐」(95年)のライナーノーツには,スタジオ録音時の彼らの写真がたくさん掲載されている。
花柄のシャツを纏い,ギターを鳴らす奥田。
若い。
インナーの白シャツまで「メンズ・ファッジ」のモデルと似たような装いだけど,やはりシャツのシルエットは大きく異なる。
この時期のトレンドはシャツの袖がやや詰まっている。
写真では見づらいけど,タックインして下はやや太めのジーンズだ。
こんな髪型,当時流行りましたね。
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もう一つが,スウェット+短パン+スニーカースタイル。
全体をネイビーで統一しているが,靴下を白くして抜け感を出し,ネイビーと白のラインが入ったvansのスニーカーでバランスを取っている。
で,奥田のファッションがこちら。
「ヒゲとボイン」(91年)のアルバムジャケット。
真っ赤なスウェットに赤チェックの短パン,赤い靴下に白に赤ラインが入ったナイキ・エアジョーダン。
全身真っ赤だけど,スニーカーの白でうまく抜いている。
現在のトレンドどの共通点は,どちらもスニーカーでうまくバランスを取っている点だろうか?
それにしても,なかなか斬新な着こなしだ。
こうして比べてみると,奥田の着こなしはトレンド云々はあまり意識せず,自分の好きなものを着ているという気がしないでもない。
そう結論づけてしまえば身も蓋もないのだが,彼自身紛れもなくトレンド・セッターだったはずなので,そのファッションに影響を受けた人は数多くいるはずなのだ。
交流させていただいているトビウオギタオさんのブログでも,レッドウイング「黒セッター」を履いて「イージュー☆ライダー」を歌う奥田のことが紹介されている。
mrredwingchildren.hatenablog.jp
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あの飄々とした生き方にも惹かれますよね。
個人的には,再結成後にメンバー全員同じツナギ姿で出てくるところとか,結構好きだったりします。
そろそろ新曲,聴きたいなあ。