音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

私を野球に連れて行って

始まりは「プロ野球チップス」だった。

 

毎年3月になると店頭に並ぶようになるので,職場の同僚に買って行って,付録の選手カードで盛り上がるのが恒例だった。

 

だから今年も職場の分のつもりでまとめ買いしていたら,それを見ていた長男が

「カードが欲しい。」

と言い出した。

 

子どもというのは,何はともあれ「付録」と名のつくものは好きな生き物で,ご多聞にもれずうちの子らもカレーなどについてくるシールなどの付録を楽しみにしている。

 

そんな風だけど,プロ野球チップスのカードを欲しがるとは意外だった。

 

何故なら,このブログでも数回触れてきたように,うちの長男は昆虫採集をしたり歌を歌ったりすることを偏愛し,ボール運動系には興味を示さなかったからだ。

 

私自身が小中高大と,学生時代のほぼ全ての期間を何らかのスポーツに身を捧げてきた体育会系人間なので,息子とキャッチボールなんかをするのは親としての一つの夢であった。

 

しかし,いくらグローブを買い与えても,ボールを買い与えても,全くキャッチボールなどやりたがらない。

 

まあ,息子とキャッチボールがしたいと言うのも親のエゴなのかな,子どもにも好き嫌いがあるので仕方なかろう。。

と最近では諦めていたのだ。

 

ひょんなことから,息子が野球に興味を抱くようになったのは,親としては喜ばしい限りである。

 

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話を戻すと,初めて買い与えた時のカードが,地元球団の選手だったから,長男はプロ野球チップスのカード集めにのめり込んでいった。

いつのまにか次男まで巻き込み,スーパーのお菓子売り場に行った時には必ずプロ野球チップスを買ってもらうようになった。

 

カードだけを集め,肝心のポテトチップスには目もくれない。

 

私が子どもの頃に流行していたドラゴンボールスナックも,付録のメンコが目当てで,スナックは大して欲しくなかったことを覚えているが,同じような感じなのだろうか。

 

たまりゆくプロ野球チップスたちは,夜な夜な私のつまみとして消費されることになる。

 

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知り合いが野球のチケットを譲ってくれると言ってきた時も,息子たちがちょうど興味をもち始めた頃だったので,有難く頂戴した。

 

長男と次男も,野球の試合を観に行けると聞き,集めていたカードを見ながら

「マッチ(松田選手)出るかなー?」

「千賀投げるかなー?」

などカードで知った選手の名前をあげながら,試合の日を心待ちにしていた。

 

ところが,その試合当日,急に私の仕事が入り,連れて行くことができなくなってしまった。

当然のことながら長男と次男はうなだれた。

 

その落胆の様子があまりに哀れだったからだろうか。

見かねた妻がスマホを操り、地元球団(ソフトバンクホークス)のファンクラブ入会を済ませ,次節の交流戦からのチケットを取ってきた。

ものの1時間くらいの作業である。

 

ということで,5月末の交流戦(広島カープ戦)の観戦が決まったのである。

 

試合前日にはファンクラブからレプリカユニフォームも届き,期待度はさらに膨らんだ。

 

仕事から帰宅した私に,長男がしきりに

「テレビに映るかなー?」

と聞いてくるので

「そんなに映りたいなら,目立つ工夫をしよう。」

と提案し,応援用のうちわを自作することにした。

 

100均で買った自作うちわセットに色画用紙を貼り付け,それぞれの「推し」選手の応援用うちわを制作。

真ん中はモイネロ推しの私のうちわ。

大きいサイズのは一つしかなかったので,これだけ手が込んでるように見えるが,まあいいでしょう。

左の柳田選手は次男,右の板東投手は長男の推しだ。

当然,野球カードを持っているからという理由の「推し」だ。

 

裏はこんな感じ。

なかなかはりきってるでしょう?

 

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ということで,やってきました。

ペイペイドーム。

めあては,「うちわを振ってアピールし,テレビに映ろう。」

 

画像でもお分かりの通り,我々が座った席はほぼ真っ赤なカープファンに囲まれており,ホームなのにアウェーという変な状況となった。

 

試合の方は初回に1点を献上したものの,2回に今季初スタメンの捕手・渡邊選手の今季初安打でホームラン,牧原選手の2号と打者一巡の猛攻で一挙6点を奪い,試合の主導権はソフトバンクが握った。

 

その後も順調に加点し,中盤までに8点のリードを奪ったホークス。

中盤になると周囲のカープファンからも諦めの声が聞こえ始め,途中,佐々岡監督がリクエストを要求した時も,後ろに座っていたカープファンのお兄さんが

「もうええやろ。」

とぼやいていた。

 

ホークスファンとしては,選手が次々に活躍してくれるので観ていて楽しかったが,4歳の次男は2回くらいから

「帰りたい。」

「ママに会いたい。」

とゴネ始めた。

 

何度かドーム内を散歩したり,お菓子を与えたりしてごまかしたが,6回になりもう限界だと判断。

絶好調のホークス打線に後ろ髪ひかれながら,ドームを後にした。

 

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ドームを出た後周辺を歩いていると,正面に大きな藤本監督が見えた。

 これ。

実は中がトランポリンになっていた。

長男も次男も「やりたい」と言うので,やらせることに。


たったの5分だったが,中で思う存分跳ね回っていた。

  

このトランポリンの間にラッキー7の攻撃が始まった。


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近くのスクリーンからは,応援歌「いざゆけ若鷹軍団」が流れていたので,私も小さく唱和しながら,はしゃぐ子どもの様子を見守っていた。

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ということで,プロ野球チップスから始まったドタバタ野球観戦記でした。


家に帰った後,次男に

「何が一番楽しかった?」

と聞いてみると,即座に

「トランポリン」

と答えていた。


がーん。


トランポリン代,100円。

観戦チケット代,6300円である。


そんなもんだよね。

思い出は,プライスレス。


ちなみに長男は,野球観戦が本当に楽しかったらしく,帰ってからも妻がビデオ録画していた試合を観ながら,再びメガフォンで応援していた。


こちらとしては,親として

「連れて行ってあげた。」

と思っていたが,まあ考えてみれば,この子たちがプロ野球チップスのカード収集にハマってくれたおかげで野球観戦に行けたのだから,逆に連れて行ってもらったようなものだな。


 

また行こうね! 


ちなみに残念ながら,めあては達成できず。

次回リベンジしたいですね。