年忘れジャズ・ナンバー3選
令和4年最後の日になった。
年末の買い出しでイオンに行ったついでにCD屋を覗いて,一枚買ってきた。
チック・コリアの,「リターン・トゥ・フォーエヴァー」だ。
70年代に流行した,ジャズにエレキ・サウンドを取り入れた「フュージョン」の代表的な一枚,という触れ込みだ。
私はこの「フュージョン」期のサウンドについては,マイルズ・デイビスの作品で知っているくらいで,正直難解なイメージしか持っていなかったのだけど,このチック・コリアの「リターン〜」はよかった。
何がよかったかと言うと,カタルシスが分かりやすく表出されている点だ。
特に終盤は,オーケストラのクライマックスが何度も押し寄せてくるような高揚感だ。
ジャンルを越えて,音楽ってやっぱり素晴らしいと思わせてくれる作品だ。
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今年買ったジャズ作品の中では,モダン・ジャズ・カルテットの「コンコルド」もよかった。
中学生の頃聴いていたラジオ番組で,モダン・ジャズ・カルテットの来日公演のCMがよく流れていた。
私のジャズ原体験は,まぎれもなくラジオから響いてきた,ミルト・ジャクソン奏でるビブラフォンの音色だ。
ミルト・ジャクソンの静謐なビブラフォンは,アルバムでじっくり聴いてみても,くっきりとした音像を形作っている。
その演奏からは,何やら「ひやり」としたものを感じる。
なぜかは分からないけど,「ひやり」という表現が一番しっくりくる。
私は,こういう表情のはっきりしている音は好きだ。
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ソニー・ロリンズの「サキソフォン・コロッサス」も,今年買った作品の中では印象深い一枚だ。
アルバムの一曲目,「セント・トーマス」は軽快だ。
全然勿体ぶってなくて,ついカウンターに座って気軽に一杯やりたくなるような陽気さがある。
こんな小粋な曲を聴きながら,年忘れの盃を傾けるのもよさそうだ。
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令和4年最後の投稿は,ジャズについての記事になった。
今年は,もともと好きだったロックに加え,ジャズもよく聴いた年になった。
このブログを通して,様々な音楽について広く,そして深く感じたり考えたりするきっかけをつくることができた。
そして何より,当ブログにいつも立ち寄ってくださる皆様のおかげで,日々の更新の活力をいただきました。
感謝,感謝です。
来年もよろしくお願い致します。