フリッパーズの名曲MVは,あのヒット曲の元ネタか
最近,フリッパーズ・ギターを聴いている。
フリッパーズ・ギターと言えば,小山田圭吾と小沢健二のユニットだ。
私はコーネリアスは聴いたことがないけれど,小山田が所属していたメタファイヴは大好きだし,小沢健二も個人的にかなり愛聴していたので,この二人が昔組んでいたユニットなので,どんな音楽を鳴らしていたのか,以前から気にはなっていた。
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それが先日,たまたま天神に行く用事があって,時間があったのでタワレコに立ち寄ってみると,フリッパーズのCDが一枚だけ置いていたのだ。
それが,彼らのセカンドアルバム「カメラ・トーク」だ。
Amazonでも新品の取り扱いがなかったので,タワレコに置いていたのは幸運だった。
それで,この作品を聴いていくと,メタファイヴのようなメカニカルな感じとも,小沢のソロのような哀愁めいた感じとも微妙に趣向が違っていて面白い。
90年リリースの作品なので,ストーンローゼズやプライマルスクリームあたりのサイケデリックで浮遊感のある,それでいてポップなテイストの楽曲が多くて,結構好みである。
ところで,収録曲の中に「カメラ!カメラ!カメラ!」という曲がある。
この曲のMVを観ていると,私はあることに気づいたのだ。
まずは「カメラ!カメラ!カメラ!」のMVを観ていただこう。
ヴィヴィッドなMVである。
青いハイネックを着た小沢と,赤いハイネックを着てハットを被った小山田。
二人ともエレキ・ギターを抱え,ホワイト・ジーンズを履いている。
真っ白な背景に,カラフルなドアが配され,真っ黒なワンピースに色とりどりの帽子や手袋を身に付けた踊り子が,カメラを構えつつ踊る。
30年以上前のMVとは思えないほど,モダンで洒落ている。
でも,観られた方は気づかれたのではないだろうか。
このMVのつくり,最近(とはいっても5年以上前だけど)のヒット曲のMVによく似ているのだ。
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それが星野源の「恋」である。
恋ダンスで一世を風靡したので,よく知られたMVだと思うけど一応貼っておきます。
こちらのほうがより現代的で洗練されているけど,踊り子のファッションやコミカルな動き,そこにバンドの演奏を絡ませてるあたりのセンスや,簡素な背景も含めて,あのフリッパーズのMVからの影響をそこかしこから感じる。
恋ダンスの振り付けはあのMIKIKOということなので,彼女の趣向が反映されている可能性もあるけど,おそらくフリッパーズを通っているのは想像に難くない。
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勿論,MVのつくりは似ているが,「カメラ!カメラ!カメラ!」と「恋」は全く音楽性の異なる楽曲だ。
前者は先に述べたように,80年代UKロックの影響を色濃く受けているのに対し,後者は日本の伝統的な歌謡曲を現代的にアレンジした印象だ。
フリッパーズ・ギターはこのセカンドを含め,3枚のオリジナルアルバムをリリースした後,突然解散したということだが,残る2枚も聴いてみたいと思っている。
フリッパーズは所謂「渋谷系」の走りとされているけど,彼らのファッションは当時からかなり洗練されていて,当ブログのコンセプト的にも興味津々である。
聴いてみたらまた記事に上げたいと思います。
それではまた。