秋になったらスピッツを聴きたくなる
なぜでしょう。
スピッツを聴きたくなるのは,決まって涼しくなってきてから。
事実,スピッツ関連の記事を書くのは半年ぶりくらいじゃなかろうか。
これまでスピッツ関連の記事は沢山書いてきたが,何故か「ファッション」の観点では書いたことがなかった。
そこで,今回は90年代から2010年代にかけてのスピッツのファッションに焦点を当ててみることにする。
特に,一人のメンバーに注目していこうと思う。
マサムネではない。
スピッツの中でも,ダントツでファッションへの並々ならぬこだわりを感じさせてくれるあの男。
そう,三輪テツヤである。
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1 「ハチミツ」(1995年)
三輪と言えば,いつもサングラスをかけていて,個性的なファッションも相まって,結構いかついイメージである。
しかしその実,草野の才能を高く評価していて,彼がつくってきた曲や歌詞についても,あれこれ尋ねたことは一度もないそうだ。
そんな彼は,90年代は派手にドレッド・ヘア。
最近は見ないヘアースタイルだ。
この時期は確か,久保田利伸もドレッドだった。
2 「スーベニア」(2005年)
続いて,2005年の「スーベニア」から。
この2000年代半ばというのは,現在と比べるとヴィヴィッドなコーディネートが好まれていたように記憶している。
草野マサムネが履いてるようなダメージジーンズや,ドラム﨑山(右端)が着ているネルシャツなどは,流行った。
確かに流行っていた。
ところで本題。
三輪(左端)だが,花柄の刺繍が入ったブルゾンに,ワイドパンツ,ブーツという装い。
流行とは程遠い,というか「流行なんて知ったことか」とでも言いそうな突き抜けたファッションセンス。
短髪にトレードマークのサングラスも,ハードな印象を増幅させている。
3「小さな生き物」(2013年)
2013年の「小さな生き物」では,濃いデニムのセットアップにスウェット(草野),インディゴブルーのデニムシャツにオレンジスラックス(﨑山),グリーンにオレンジのラインが目立つロングTシャツ(田村)と,各メンバーがポップな装いで海岸を歩いている。
ところが。
あの男はどうだ。
脚元にはごついブーツ,はだけたシャツの下には黒のタンクトップに派手なネックレス。
ハーフのカーゴパンツと頭にちょこんと乗せた麦わらのハットがハードさを中和している,気がする。。
4「見っけ」(2019年)
そして,直近の「見っけ」。
草野はじめ,各メンバー黒を基調としたシックな装いにまとめている。
ところで。
あの男どうだ。
ツーブロックどころじゃない,頭部の左半分がボーズで右半分は長髪。
このアンバランスさは凄い。
真っ直ぐ立っているつもりでも,自然と頭が右に傾いていきそうな。。
左上半身しか写っていないからしっかり判断はできないが,紺の法衣のような服を着ているようにも見える。
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スピッツのファッション変遷を,三輪テツヤ中心に紐解いてみた。
彼は90年代から一貫して,時代に迎合することなく己のファッションを貫き通しているのがわかった。
そんな三輪だが,スピッツというバンドにおいてはイニシアチブを草野に預け,チームプレイに徹している点も人間味があって余計に好感が持てる。
次のアルバムが楽しみです。
最後に,秋の曲を一つ。