音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

2021-01-01から1年間の記事一覧

その切なさの正体は〜スピッツ「ハチミツ」雑感〜

我が家にはスピッツの「ハチミツ」というアルバムが2枚ある。 理由は簡単で,私の分と妻の分。 左の箱入りが私ので,右のが妻の。 お互い高校時代に買って,それぞれ所有していたのが,我が家で合流したというわけだ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・…

ジャズへの憧憬

妻の胃検診があると言うことで,朝から子ども達を起こして準備をさせ,小学生の長男は斜向かいの義父母のマンションに預け,次男三男を保育園へ送り届けた後,車を東へ走らせた。 つけっぱなしにしているカーラジオからは,ボーカル付きのジャズナンバー。 …

「音楽と服」的2021年ベストバイ

今週のお題「買ってよかった2021」ブログコンセプトに則って,「音楽」と「服」で今年のベストバイを振り返ります。まずは音楽。今年は彼らのよさを再認識できた一年でした。おるたなアーティスト:スピッツユニバーサルAmazon花鳥風月+UNIVERSAL MUSIC LLCAm…

ある聖なる夜の戦い

※ R10指定…10歳未満のよい子は読まないでね! 「わたし,失敗しないので。」 あの大門未知子のセリフが頭の中でリフレインする。 そうだ。 俺は失敗するわけにはいかない。 これは100%成功させないといけない仕事だ。 時刻は深夜1時を回ったばかり。 我が家…

寒空に漂う紫煙に思うこと

私が煙草をやめたのは,忘れもしない2016年の9月18日だった。別に何かきっかけがあったわけではない。確かその日は休日で,でも出勤するために車を走らせていたのだ。いつものように,カーラジオを聴きながらハンドルを握っていて,突然頭に降って湧いたよう…

2021年iTunes私的再生回数ベスト5

年の瀬もいよいよ押し迫ってきました。 年末になると「ベストバイ」的な企画もよく見かけるけど,私の場合は「音楽」と「服」なので,両方のジャンルでいけるんですよね。 服の方は,新しく買ったのはほとんど無印,UNIQLOなのであまり面白味がなさそうだけ…

夏の日のモンキーマン

今週のお題「忘れたいこと」 Kemuriが好きだった。 もともとスカに対する憧れがあり,10代の頃からスペシャルズやらマッドネスやらを聴いてきた。 なんというか,あの,横ノリのゆるーい感じがよくて,ヘッドバンキングをするようないわゆる縦ノリは逆に少…

やっぱり服は実店舗で買いたい〜回想より〜

今から10年ほども前だろうか。私には行きつけの路面店があった。城下町のお濠のすぐそばの通りに,ひっそりと佇む古ビルの一階にその店はあった。看板はなく,白い壁にまっさらなウィンドウだけが特徴と言えば特徴で,初めて見つけた時には,洋服屋なのかど…

「NANA」に憧れた男

先週日曜の「サザエさん」を観られただろうか。最近のサザエさんは,結構時代に即したテーマが多くて,わりに楽しめる。先週の場合は,「少女漫画なんて恥ずかしくて読めない」という価値観を持っていたカツオが,花沢さんらと少女漫画の話題に興じる級友の…

あの頃のアーティストのファッションチェック(2010年)

あの頃のアーティストファッションチェック,今回は2010年です。 2010年の「ロッキング・オン」10月号より。 この号はフジロック,サマーソニック特集。 それでは早速行ってみましょう。 1.トム・ヨーク(アトムズ・フォー・ピース) アトムズ・フォー・ピー…

「侘び寂び」とケミカルブラザーズ

「Wabi sabi make it messy」 (侘び寂び めちゃくちゃにしよう) と歌ったのは星野源だが,日本人は古来よりこの「侘び寂び」という美意識を大切にしてきた。 「侘び寂び」とは,静かなものや古いものに趣を感じるといった感情といった意味のこと。 私は最…

あの頃のアーティストのファッションチェック(2016年)

もともとは,アーティストの音楽性とそのファッションとの関係性を紐解きたいと始めたこのブログ。最近,やや基本のコンセプトからの脱線も目立ちますので,たまには原点回帰も必要かと思います。今回は,手元にあった2016年の「ロッキング・オン」をパラパ…

だからこそ,星野源はポップなのだ

ここのところ仕事が立て込んでいて,ゆっくりテレビを観る暇がなかったがようやく少し落ち着き,11月に録画していた番組を観ることができた。 林修先生の「初耳学」。 ゲストは星野源だった。 彼が10年ほど前にくも膜下出血で倒れ,九死に一生を得た話は有名…

「バンド・オン・ザ・ラン」よ永遠に

昔の「ロッキング・オン」をめくっていたら,ウイングスの記事が出ていた。 「バンド・オン・ザ・ラン」の頃だから,40年以上前のポール,リンダ,デニーのポートレイトだ。 先日の記事で,「ポールはあんまりファッションに興味がなさそう」とか失礼なこと…

それでも私がCDを聴く理由

我が家には古いチボリのオーディオがある。もう15年以上前のモデルだと思う。CDの差し込み口には,長男や次男が小さい頃悪戯でキャラもののカードやシールを入れて遊んでいたので,今ではCDを取り出す時にすんなり出てきてくれない。それ以外は特に問題なく…

ビートルズのファッション遍歴と音楽性の変化についての考察

リボルバー アーティスト:ザ・ビートルズ ユニバーサル ミュージック (e) Amazon 先日,ソファーの上に置きっぱなしにしていた「ロッキンオン」のディスクレビュー本を,長男が私のところへ持ってきた。 そして,帯に出ているいくつかのジャケット写真のう…

私がフジロックを愛する10の理由

はてなブログ10周年特別お題「私が◯◯にハマる10の理由」 2006年に初めて参戦して以来,2008年,2009年,2010年,2011年,2012年,2014年,2016年と計8回苗場の地を踏んできた。 はてなブログ10周年特別お題も今日が最終日ということで,私がそこまでフジロッ…

早朝のコインランドリーとドミンゴのデニム

私たちは「デニーズ」の店内にいる。 面白みはないけれど必要十分な照明,無表情なインテリアと食器,経営工学のスペシャリストたちによって細部まで緻密に計算されたフロアプラン,小さな音で流れる無害なバックグラウンド・ミュージック,正確にマニュアル…

僕の見たビートルズはテレビの中

洗濯機が壊れた。 脱水ができなくなった。 排水フィルターの汚れを取っても,排水ポンプと排水口の汚れを取っても水が抜けない。 購入して6年。 毎日2回ずつ,家族五人分の洗濯物を洗い続けてきたのでガタがきたか。 仕方がないので,早朝からコインランドリ…

虹は見えたかい?

薄暗い部屋で目が覚めた。 ステレオからは,無機質な電子音のイントロが鳴り響いている。 これで何回目のリピートだろう。 天井を見つめながら,引っ越し祝いで訪れたKの部屋で鍋をつついた後,そのまま寝てしまったことを思い出した。 壁には,アンディー・…

ジャンルの顔といえば・・・

iTunesで音楽を聴く時には,基本的に「ライブラリ」しか見ないのだけど,今日たまたま「検索」ボタン押してしまったらこんな画像が出てきた。 これ,各ジャンルの「顔」的存在の方々なんですね。 確かに錚々たる顔ぶれですが・・・。 個人的に「そうかな?」…

白い靴下

昨日は長男の学習参観だったので学校に行ってきた。 参観日の服って結構考える。 普段の休日は,外に出る時は大抵ニット帽かキャップに眼鏡(これにマスクがつくので顔につける物が多すぎる)なんだけど,帽子を被るのはちょっとな。 いろいろ考えたすえに。…

「今年もあと少しだよ」

今週のお題「秋の歌」「『今年もあと 少しだよ』と ほかに何か 言いたかったかい?」 イデアの水槽アーティスト:GRAPEVINEポニーキャニオンAmazon 毎年,年末が近づいてきて,寒気が強くなってくると,この歌詞が沁みるようになる。グレイプバインの「公園ま…

フリーとジョンのジャムセッションで始まった,忘れられない夏の日

今週のお題「赤いもの」そろそろ開演時刻を回ってから15分が経つ。BGMの曲が終わるごとに,聴衆は期待の歓声を上げるが,しばらくしてから次の曲が流れ出すと,再び沈黙する。2006年7月29日。聴衆は,フジロック中日のヘッドライナー…恐らくこの年のロック…

GTOは村上春樹的で,現代版水戸黄門だ

なんだかよく分からないタイトルになってしまったが,3つのワードが結びついてしまったということだ。 土曜日の昼下がりに,CSを観ようと思ってテレビをつけたが,なんと地上波ではどこもやっていない(九州在住です)。 仕方がないので他に観る番組はない…

ポロとスティーブ・マックイーン

ラルフローレンのシャツが好きだ。もともと父が紳士服のバイヤーで,仕事に行く時には必ずポロのシャツに袖を通していたことにも影響を受けているのだろうが,私も若い金がない頃から,仕事用のシャツはラルフローレンを選ぶことが多かった。正直値は張る。…

デヴィッド・ボウイ最後のポートレートに思うこと

馴染みにしている床屋がある。 大学生の頃,20歳くらいからなので,かれこれ15年以上は通い続けていることになる。 大学の近くにある商店街の一角にある理髪店で,部活の仲間が通い始め,私も通うようになった。 店主は当時40代後半の親父。 小柄ながら,ス…

時代は変わる,小沢健二は変わらない

初めて買ったCDは? という話題にたまになる。 私の子供時代には,CDのシングル盤といえば,今はなき「8センチシングル」が主流だったので、初めてのCDも8センチだった。 小沢健二の「痛快ウキウキ通り」。 痛快ウキウキ通り アーティスト:小沢健二 ユニバー…

その名を叫ぶとき

今週のお題「叫びたい!」 「叫ぶ」という行為は,普通に生活してたらなかなかしないわけで。 つまり,「叫ぶ」行為が行われるとしたら,それは非日常の中で行われるわけで。 私が「叫ぶ」のは,ライブに行ったときくらいだろうか。 でも思い返してみると,…

素敵なおじさんになりたい

一時期,エルヴィス・コステロにはまっていた。 今から十年位前かな。 主にデビューアルバムから5枚目くらいまでが好きなのだけど。 コステロの全ての時期のディスコグラフィーを把握しているわけではないからあまり分かったような口は聞けないが,初期の彼…