素敵なおじさんになりたい
一時期,エルヴィス・コステロにはまっていた。
今から十年位前かな。
主にデビューアルバムから5枚目くらいまでが好きなのだけど。
コステロの全ての時期のディスコグラフィーを把握しているわけではないからあまり分かったような口は聞けないが,初期の彼の楽曲にはある種の切なさが漂っていた。
特に1,2作目はパンク色も強いのだけど,それでも雄々しさはあまり感じない。
それよりも,男の哀愁を感じる。
パブで弾き語るような親密さと,声質もあるのだろう。
加えて,このビジュアル。
画像は「My Aim is True」(1977)。
タイトなスーツに黒縁メガネ,ジャズマスター。
何故か内股な立ち姿も,一般的な「ロックスター」のイメージとは少し距離を置いているようにも思える。
でも,カッコいいなと思ってしまうんですよね。
何ででしょう。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ということで,他にもウチのCD棚にあった「ジャケがいかすアーティスト」作品を見ていきます。
よくある「お洒落なジャケ」ではなく,「ジャケでお洒落な格好をしている」という変な選考基準です。
アルバムの良し悪しは加味してません。
あ。でも,上で紹介したコステロのアルバムは大好きですよ!
2枚目はこちら「All Mod Cons」(1978)。
以前紹介したポール・ウェラーのバンド,ザ・ジャムのラストアルバム。
中央で椅子に腰掛けて正面を見据えるウェラーは,白シャツにブルーのスラックス,黒のローファー。
どこまでもシンプルなスタイルだが,これをウェラーがやると恐ろしく格好いい。
UKロック界のファッションアイコンとして,長年君臨し続けているポール・ウェラーだけど,彼のスタイルはあまり流行の影響を受けずに,シンプル&シルエット重視だ。
上のジャケ写も,靴下の色が白なのがポイント。
シャツ色と差し色になることに加え,ほどよいアクセントにもなっている。
2009年のフジロックは初日オアシスがヘッドライナーだったが,そのトリ前のステージを務めたのがポール・ウェラーだった。
小雨降る中のステージだったけど、銀髪に黒ニット,黒のスラックスというリラックスしたスタイルで歌うウェラーは渋かった。
本当にいい歳のとり方をしていると思います。
あんなオジサンになりたい。無理だけど。
ポール・ウェラーのファッションについては,以下の記事でも紹介しています。
3枚目に紹介するのは,当ブログではお馴染みになったベック・ハンセン!
「ハイパースペース」(2019)
真っ赤なトヨタ・セリカをバックに,白のセットアップスーツ姿で眩しそうにフラッシュを手で遮るベック。
赤いシャツは,勿論セリカの真っ赤な車体を意識してのチョイスだろう。そして,赤く染まる空(朝だろうか,それとも夕方だろうか)。
白いスーツが映えるようにデザインされた秀逸なジャケット写真。
色味は派手だが,とてもシンプルなスタイル。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
今回紹介した3アーティストに共通して言えるのは,いずれもベーシック・スタイルであるということ。
それでも,シルエットや色のチョイスには,並々ならぬこだわりを感じる。
あくまでシンプルに,自分のスタイルを追求し続ける。
素敵な三人のおじ様(ベックももう50代!)達の紹介でした。