音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

どストレート叙情曲に「やば。」と名をつける藤井風の才能がやばい。

いや,もうあちこちで誰かが言ってるだろうし書いてるだろうから,今更辞めとこうと思ったんだけど,やっぱり書かずにはいられないので書くことにする。

この人とこのアルバムについてです。

 

なんでしょうか,藤井風って。

 

藤井風を最初に知ったのははてなブログがきっかけだった。

ご存じの方も多いと思うが,Kansouさんという無茶苦茶面白い記事を書く方がいて,この方がだいぶ初期から藤井風を推してあったのだ。

 

 

で,確か新型ヴェゼルのCMで流れてた曲もよかったし,Kansouさんがそこまでいいと言われるなら自分でも聴いてみたいと思い,「Help Ever Hurt Cover」というカバーアルバムを買ったのだった。

 

しかし,聴いてみると確かに歌はうまいが,カバーアルバムっていうのは選曲にも大きく印象が左右されるもの。

このアルバムで選ばれたカバー曲群があまり私の好みではなかったこともあり,2,3回聴いただけで終わっていたのだった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そんな経緯もあったので,彼の新しいアルバムが出たと聞いてもはじめは様子見だった。

 

当初買うつもりはなかったが,「もう一回買ってみよう」と思うに至った決め手は,やはりはてなブログだった。

読者登録させてもらってる複数のブロガーさんの記事で取り上げられている内容であったり,動画を観たりしたことがきっかけだ。

 

ということで,4月下旬に子どもたちの習い事の空き時間を利用して,土曜の昼下がりに行きつけであるCD屋にふらっと行って買ってきたのだった。

それでも宇多田ヒカルの「BADモード」とどちらにするか最後まで散々迷った挙句なのだけど。

 

宇多田と藤井風で迷うなんて,ただのミーハー親父だな。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そのような紆余曲折を経て手に入れたアルバム「Love All Serve  All」。

 

一言で印象を言い表すと,メッセージ性が強いアルバムだ。

とても。

 

私が一日のうちで音楽を聴くのは,早朝に仕事をしている時か電車での通勤中。

 

早朝の仕事中は音を大きくすると近所迷惑だし,自分も集中できないので,BGMによさそうなインスト曲やさらっと聴けるバンドの曲(最近ではDSDCあたり)が多い。

 

藤井風の「Love All Serve All」は,このようなシチュエーションには合っているとは言い難い。

 

内包しているメッセージをつい読み解いてみたくなるかだ。

 

歌詞が,深い。

 

私はいちいちそういう曲は分析してみたくなる性分なので,仕事どころではなくなってしまう。

 

だから,何度か聴いて内心

「このアルバムは只事ではないな。。」

と感じてはいたが,深入りするのも大変なので,またしばらく放置していたのだ。

 

ところが昨日今日の通勤中に不意にiPhoneで流しっぱなしにしていると,その「只事でなさ」が少しずつ自分の中で言語化されてきたので,忘れないうちにブログに残すことにした。

 

・・・・・・・・・・・・・・・

 

背景についていささか長文を要したけど,人が音楽を聴いたり語ったりする背景って,結構気になりませんか?

私だけかな。

 

藤井風のこのアルバムにおける「只事でなさ」は,一体どういうことかと言うと,

 

・自分の言葉で語っていること

・それを極めてクオリティの高いポップに仕上げていること

 

この2点に尽きると思う。

 

「そんなんアーティストとして当たり前のことじゃん。」

と言われるだろうけど,本当に突き詰めていくと,これを実現しているアーティストって,そんなに多くないのではないか?

 

桑田佳祐あたりはさすがに天才だ。

「ヨシ子さん」の歌詞やコンセプトなんて心底ぶっ飛んでるけど,実は桑田の考えることが驚くほどクリアに表現されている。

彼の才能の底知れなさを知った気がした。

 


藤井風が綴る歌詞を聴いていくと,言葉選びのセンスとか,そこに乗せる音のチョイスとか,そういう細かい積み重ねに無尽蔵の可能性を感じる。

 

何度も何度も墓まで行って

何度も何度もその手合わして

やば,やば,やば,やば。

傷つけないでよ

裏切らないでよ

 

藤井風「やば。」


「何度も何度も」墓まで行って,手を合わせて,そんで何て言うかと思ったら,「やば。」って。 


この曲,かなり叙情的で泣きのメロディなのに,サビではひたすら「やば。」って言ってる。


歌詞を書く上での一般的なセオリーから言えば,おそらくだいぶ外れているのだろうけど,話し言葉としては普通に使われている言葉だから逆にリアルなのです。


そして,考えさせますよね。

「やば。」って,一体どういう感情なんだろう?って。



www.youtube.com


この「やば。」に加えて,「へでもねーよ」,「まつり」。

藤井風の綴る言葉は決して難解ではない。

そこに乗せる音楽は,ダンサブルでありながら,歌謡曲的要素も強い。


安易に英語詞に頼ってないのがいい。

こういう曲は日本人にしか作れないだろうけど,ベタベタになり過ぎずうまくスタイリッシュに仕上げている。


それは売れるよな,という感じ。


こういうシンガーは,バラードやらせても上手いけど,少し毒があるくらいが一番馴染んでるようだ。

何やっても器用にこなしそうだけど(ピアノも上手い!),ダンスミュージックなんかに振り切っても面白そうだな。


しばらくはこのアルバムで楽しめそうです。



SDGsなコールドプレイのライブから,従来のロックンロールスター像を再考する

先週の金曜日だったか,仕事に行く前の慌ただしい時間帯に,つけっぱなしにしていたTVから聴き覚えのある曲が流れてきた。

 

確かコールドプレイの,一番新しいアルバムに入っていた曲だ。

 

歯磨きをしながらテレビを注視すると,こんな画面が目に飛び込んできた。

コールドプレイのクリス・マーティンがステージで歌う中,会場内の特設ブースでは観客が自転車をこいで発電している。

 

面白いことするなーと思って見ていると,発電方法にはいろいろバリエーションがあるようだ。

こちらはトランポリンスペースで,観客がジャンプをしたらそれで発電されるそうだ。

 

コールドプレイのクリスがインタビューに答えていた。

 

彼らは,ライブ時の電力消費に大量のCO2が使われることを問題視して,2019年にライブ活動を停止したということ。

 

そのうち世界はコロナ禍に見舞われ,長いことライブを行なっていなかった。

 

「だけど僕たちは幸運だったよ!」

とクリスは画面ごしに笑顔で語った。

 

「僕たちがどうすればライブを続けられるか,アイデアを出してくれる人がたくさんいたんだ。」

 

そうして生まれたライブ継続のアイデアの一つが,今回の「発電式」ライブだったということだろう。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

SDGsの観点でライブ活動を行なうアーティストは,彼らが初めてではない。

 

他に有名どころでは,レディオヘッドなんかは10年ほど前から,LED電球を利用したライブセットで,ライブ時の消費電力削減を実現している。

 

私もフジロックで,そんな彼らのステージを目の当たりにしたが,ほんとに電力抑えているのか!?と疑いたくなるくらいライトが美しくて,また派手なステージだったけど,きっちり省エネでやってたらしい。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

コールドプレイやレディオヘッドみたいに,ロックバンドの人間がこういうクリーンな活動を大々的に行なっていることが報じられると,賞賛の声が上がる一方で必ず揶揄する声も聞かれる。

 

U2のボノなんかが一番いい例で,彼の慈善家としての活動は有名で,ノーベル平和賞候補になったこともあるという。

 

しかし,そんなボノの活動を「売名だ」「偽善だ」などと批判する声も少なからずあることは確かだ。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

私は個人的には,時代は変わりつつあるのだから,退廃的で破壊的=ロックンロールスターみたいな昔ながらのイメージはもう捨ててもいいのかなと思う。

 

例えば,オアシスなんかはツアーのたびに部屋で乱痴気騒ぎを起こして,高層ホテルの窓からソファー投げ落とすとか無茶苦茶やってたっていたとか。

ザ・フージョン・エントウィッスルが,クスリをやりながら女といる時に亡くなったというニュースを聞いたピート・タウンゼントが「ロックンロールスターとしては,最高の死に方だ。」とコメントしたとか(なんのこっちゃ)。


そういうのがロックンロールスターであって,そんなイメージの彼らが慈善的で持続可能な活動を行うことに対して「偽善」「ハイプ(誇大広告)」と切ってしまうのは,そろそろやめてもいいんじゃないかと思うのだ。


先に上げたようなロックンロールスター像のイメージが定着していったのは,大量消費時代の最中にあった1960年代から1970年代。


現在,時代はSDGs(持続可能な開発目標)だ。

もっとも影響力のある彼らが,時代に合わせて自分たちの音楽活動の在り方を変えていくことはむしろ自然なことのように思える。


しかも,リスナーを巻き込んでいるのがいい。

これから,「発電してくれる人はチケット半額」とかやったら,面白がって参加する人も増えるだろうな。

何はともあれ多くの人を巻き込めるのは影響力があるからこそできること。


地球のためになって,楽しめることならどんどんやればいい,と思う。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 


ところで,コールドプレイの新作についてはまだレビューしていなかった。

新作「Music of the Spheres」。

右端が凹んでるのは,多分三男の仕業。

私はコールドプレイのディスコグラフィーはほぼ揃えているが,正直取り立てて熱心なファンというわけではない。


フジロックで彼らのステージを観たこともあって,それは素晴らしいステージだった。

アルバム「マイロ・ザイロト」の高揚感は今聴いても全然古びないし,間違いなく名盤と言える。


ただ,彼らの音楽にはどうしても「大御所感」が漂っていて,歌詞も演奏もどこか壮大過ぎる印象があった。

私が一番ロックを聴いていた時期に世界的にもっとも売れていたバンドだったので,天邪鬼な私はどうしてももう一歩思い入れを深めることができなかったのだ。


しかし久しぶりに聴いた新作も,どこからどう聴いてもコールドプレイっていう,その金太郎飴的な曲展開がもはや癖になる気持ちよさだ。


アルバム10曲目の「Infinity Sign」は歌無しのインスト曲だが,その打ち込みのイントロに三男が反応して,iPhoneをかけている私に歩み寄り,体を揺らしながらリズムを取り出した。


一歳の子を踊らせるとは,コールドプレイも大したもの。

彼の中ではだいすけお兄さんが歌う「どうようメドレー」と並ぶアンセムとなったようだ。


www.youtube.com


子どもを踊らせる。

これもまた,新しいロックンロールスター像なのかも。


時代は変わる。

ロッンロールスター像も変わる。


90年代奥田民生のファッションと現在のトレンドを比較する

前々回の記事では,「メンズ・ファッジ」の6月号を見ながら現在のトレンドとひと昔前のファッションとの共通点や相違点を検証していった。

 

今日も日中からゴロゴロしつつページを捲りながら,前々から思っていたことを確かめてみようと思った。

 

何かと言うと,ここ数年の「ゆるカジ」的なファッションの在り方と,最近バンドTがまた流行り出したように,少し派手さを加えた現在のトレンドの方向性が,90年代前半のトレンドと似通ってきたのではないのかなあということだ。

 

以前も現在のトレンドと,90年代ブリットポップ期のファッション考察をしたことがある。

 

sisoa.hatenablog.com

 

で,私は思ったのだ。

 

「メンズ・ファッジ」のモデルは全員外国の方だ。

そのため,自然と海外のアーティストとのファッション比較ばかりになってしまっていたのだが,日本人アーティストはどうだったのだろうか?

 

ということで,80年代後半から90年代前半にかけてシーンを牽引した日本人アーティストのファッションと現在のトレンドを比較してみようと思う。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

「メンズ・ファッジ」に載っていた着こなし例の一つ,総柄シャツを使った装い。

個人的には結構好きですね。

そろそろ無地にも飽きてきましたしね。

 

80年代から90年代のJロックシーンにおいて,唯一無二の存在感を放った男と言えば,ユニコーン奥田民生

 

彼のファッションは昔から一貫して,ゆるくてカジュアルで,脱力な印象。

 

アルバム「ケダモノの嵐」(95年)のライナーノーツには,スタジオ録音時の彼らの写真がたくさん掲載されている。

 花柄のシャツを纏い,ギターを鳴らす奥田。

若い。

インナーの白シャツまで「メンズ・ファッジ」のモデルと似たような装いだけど,やはりシャツのシルエットは大きく異なる。

 

この時期のトレンドはシャツの袖がやや詰まっている。

写真では見づらいけど,タックインして下はやや太めのジーンズだ。

 

こんな髪型,当時流行りましたね。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

もう一つが,スウェット+短パン+スニーカースタイル。

全体をネイビーで統一しているが,靴下を白くして抜け感を出し,ネイビーと白のラインが入ったvansのスニーカーでバランスを取っている。

 

 

 で,奥田のファッションがこちら。

ヒゲとボイン」(91年)のアルバムジャケット。

真っ赤なスウェットに赤チェックの短パン,赤い靴下に白に赤ラインが入ったナイキ・エアジョーダン。

 

全身真っ赤だけど,スニーカーの白でうまく抜いている。

現在のトレンドどの共通点は,どちらもスニーカーでうまくバランスを取っている点だろうか?

 

それにしても,なかなか斬新な着こなしだ。

 

こうして比べてみると,奥田の着こなしはトレンド云々はあまり意識せず,自分の好きなものを着ているという気がしないでもない。

 

そう結論づけてしまえば身も蓋もないのだが,彼自身紛れもなくトレンド・セッターだったはずなので,そのファッションに影響を受けた人は数多くいるはずなのだ。

 

交流させていただいているトビウオギタオさんのブログでも,レッドウイング「黒セッター」を履いて「イージュー☆ライダー」を歌う奥田のことが紹介されている。

mrredwingchildren.hatenablog.jp

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

あの飄々とした生き方にも惹かれますよね。

 

個人的には,再結成後にメンバー全員同じツナギ姿で出てくるところとか,結構好きだったりします。

 

 

そろそろ新曲,聴きたいなあ。

 


www.youtube.com

 

 

「想像すること」からしか行動は生まれない〜ベルアンドセバスチャンの新曲に寄せて〜

毎日購読させてもらっているradiomusicさんの記事に,ベルアンドセバスチャンの新曲が貼り付けてあった。 

www.radiomusic.jp

 ベルアンドセバスチャン,通称ベルセバは,ずっと以前に一枚だけアルバムを買っていた。


確か「天使のため息」という作品で,「ロッキング・オン」が別冊で出しているディスクレビュー集に出ていたので興味を持って中古CD屋で見つけた時に購入したものだ。


何度か聴いてみて,内省的でメランコリックな曲を書く人たちだなという感想をもった。


ベルセバフジロックにもよく来ていたらしい。

私は直接観たことはないが,ホワイトステージのトリを務めたこともあるそうだ。


radiomusicさんの記事で紹介されていたのは,「Unnecessary Drama」という曲だ。

この曲が,私のそれまでの「ベルセバ像」を打ち崩すような,アップテンポで高揚感あるナンバーに仕上がっていたので,動画視聴して一発で気に入り,下にあるAmazonバナーをクリックしたのだ。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・


新作のリリースは1週間後だったので,届いたのがゴールデンウィークの後半だった。

その日から,朝の時間は常にコーヒーとベルセバの曲とともにある。

 届けられたアルバム「A Bit of Previous」のライナーノーツを開いて,歌詞を読みながら曲を聴いていると,驚いたことにウクライナ侵攻をテーマにした曲があった。


先行シングルの一曲「If They're Shooting at You」だ。

(ちなみにもう一曲の先行シングルは前出の「Unnecessary Drama」)


退廃的なイントロから,リラックスしたスチュアートのボーカルで幕を開けるこの曲。


手拍子でリズムをとるあたりのセンスとか,ゴスペルを取り入れているあたりとか,90年代初頭にロック,テクノ,ダンスの融合で中毒性のあるサウンドを生み出した「スクリマーマデリカ」で一世を風靡した当時のプライマルスクリームを彷彿とさせる。


一聴して牧歌的にも響く「If They're Shooting at You」の歌詞は,その実哀しみで覆いつくされている。


僕が求めているのはほんの少しの安らぎだけ

温かく心地よい家と,家族が僕を

連れ戻してくれること,そうだよ,彼らが恋しいから

息子たちが恋しい,その母親が恋しい,彼らにキスを

 

でもそうはいかない,僕にはもう時間がないんだ

息が苦しくて,残念だけど死にかけているに違いない

「こっちにきて」と君は言った

「苦痛にさよならして」

「この手の中にいれば,向こうはあなたを殺せない」

「あなたは私の息子」

「あなたは私の愛しい人」

「さあ,優しく抱きしめてあげる」

「そばにいるからね,ほら捕まえた」

 

If They're Shooting at You



死にゆく兵士の見ている幻なのか。


最後の,幻覚と思しき会話のくだりに関しては,もはや「 哀しみ」という言葉を使うのもあまりに陳腐な気がする。


歌詞を書いたスチュアートが,一体何を伝えたかったのかは想像するしかない。


一つだけ言えることは,当事者である人々にとっては,何が「正義」であるとか「大義」であるとかは,多分どうでもいいであろうということだ。


そこにはただ,現実しかない。


日常が情け容赦なく打ち崩されて,一瞬のうちに家族を失って。


ただ,現実しかない。



彼らは異国のメディアを前にしてこんなことを話していた。


「21世紀にこんなことが現実に起こるなんて信じられない。」


「平和な空以外,何もいらない。」


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


侵攻の当事者はその正当性を,「正義」を説くのに躍起になっているようだけど,ふりかざした「正義」の下でどのような「現実」が繰り広げられているのか,見ようとしなくなった時に悲劇はもう始まっていたのだ。

 

スチュアートの綴った,ため息のような,昼下がりの会話のような曲が内包する意味というか,情念はあまりにも深く,そして重い。


戦時下にも一人一人の日常があって。


訳の分からない痛みや哀しみとも判別できないような感情を背負わなくてはならなくなった人がいて。


想像して世界を変えられるわけではないけど,想像しないことには何も始まらない。


最後に,ライナーノーツは以下のようなスチュアートの言葉で締められていた。

 

中心人物のスチャート・マードックは,同シングルのリリースにあたって以下のようにコメントした。

ウクライナの情勢が始まったとき,そこにいる人々の生活,そしておそらく『私たち』の生活も,決して以前のようには戻らないことが明らかになりました。この曲は迷い,傷つき,暴力の脅威にさらされていることを歌っています。私たちはウクライナの人々と連帯し,彼らの痛みと苦しみが一刻も早く収まることを願っています。

 


www.youtube.com

トレンドは本当に繰り返すのか?

「メンズファッジ」の最新刊を買った。

季節的には,もはや春から夏へ…というタイミングなので,全体的に明るいトーンの装いの提案が多かったように思う。

 

 

ところで,ページを捲っていると,我々アラフォー世代にはNGとされていたような着こなしというか,組み合わせも今では普通にお洒落な装いとして浸透しているところに,つくづくトレンドの変遷というものを感じてしまう。

 

1 ニット肩掛けスタイル

例えば,下のようにニットを肩掛けするスタイル。

このスタイルはかつて「プロデューサー巻き」と呼ばれ,ダサいファッションの象徴だった。

 

「ダサい」と言い切ると少し違うか。

お洒落と勘違いしている人を揶揄する時に,よく用いられた装い例だったのではないだろうか。

昔のコントなどで,プロデューサー巻きをした嫌味な上司が登場していた。

なんか,そういう扱いでしたね。うまく言えないけど。

そんなプロデューサー巻きも,この通りすっかりスタイリッシュに,トレンドとして定着した。

というか,完全に市民権を得た感すらある。

 

そういえば,数年前に出たMB氏の本でも,「ニット肩掛け」は推奨されていたな。

 

 

2 ポロシャツタックインスタイル

もう一つが,「ポロシャツをタックイン」というスタイル。

これも15年前には完全にアウトでしたね。

というか,イン自体が「ダサい服装」を象徴していた時代でもあった。

私は当時の流行というか雰囲気をいまだに引きずっているので,今でもインするのは抵抗がある。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

3 検証:40年前の「ニット肩掛け」「タックイン」との比較

ここまでは現代におけるトレンドの変遷について述べたが,上記のような「ニット肩掛け」や「ポロシャツイン」は,15年前よりさらに以前,約40年前にはやはり当時のトレンドとして,しっかり「お洒落」な装いだった。

 

今から40年前というと1980年代になるが,この時代のファッションアイコンの装いがこの通りだ。

見ての通り,スタイル・カウンシルの二人。

 

左のポール・ウェラーは黒のポロシャツに,白のニットを肩掛け。

 

右のミック・タルボットは,青のポロシャツをチェックのスラックスにイン。

 

現在のトレンドと,80年代の二人の装いは,組み合わせこそ同じだが,あまり似通っているようには見えない。

 

一番はシルエットの違いだろう。

現在のトレンドでは,ゆったりシルエットの服が好まれているので,ニット肩掛けの場合もポロシャツインの場合も,モデル着用のサイズは少し大きめにしてバランスを取っている。

 

一方80年代のウェラーとタルボットは,どちらもタイトなポロシャツを着ている。

このあたり,「トレンドは繰り返す」という定説はありつつも,やはり少しずつアレンジを加えたり,逆に引いたりして変化し続けているということだろう。

 

つまり,「いつかはまた流行るはず」と思って箪笥の肥やしになっているアイテムも,トレンドが巡り巡ったとしても,シルエットなどが微妙にダサかったりするのでしょうね。

 

私のクローゼットにも,

「いつかまた着れる日がくるはず」

と信じて肥やしにしているピーコートがあるが,多分これも一生着ないだろうな。

高かったんだけど。

そもそも40過ぎてピーコートは着れないかなあ。

 

「10年前のブランド服よりも最新のユニクロを」

とはMB氏の論です。

 

分かりますよ。

分かるけど,諦めきれない自分もいる。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

余談にはなるが,80年代の「ロッキング・オン」の表紙を見ていくと,この時期のポール・ウェラーとポリスのスティングの格好よさは無双状態と言ってよい。

これですよ。

いい男に,トレンドは関係ないですね。

本当に。

 

いや,今でもウェラーとスティングはいけているが,自分を磨き続けていたり,年齢を重ねた自分のよさを引き出す努力を続けた人が,結局は格好いいんだよなと思う。

 

特に年齢を重ねていくこれからは,ただトレンドに流されるだけというのは逆にダサい。

だからと言って,トレンドを完全に無視するのも多分ダサい。

適度に取り入れつつ,自分のスタイルを模索していくべきなのでしょうね。

 

目標にするのもおこがましいが,憧れるのは勝手だろう。

目指すぞ,ポール・ウェラー


www.youtube.com

 

 

車がない。

私は現在,職場に電車+自転車で通勤している。

 

もともとは自家用車通勤をしていたが,今から5年前に赴任した職場が基本的に公共の交通機関以外での通勤が認められない場所だったので,そのタイミングで電車通勤に切り替えた。

 

その後に異動した先は自宅から1時間ほどかかる場所にあり,途中渋滞にかかりやすかったり,電車と自転車で通勤したほうが早く到着したりという事情もあり,電車通勤を続けていた。

 

そういう事情で,数年前にもともと私用と妻用で2台あった車はどちらも下取りに出し,少し大きめのファミリーカー1台に妻と共用で乗っていた。

 

電車通勤は,はじめはよかった。

読書はできるし,仕事の段取りやアイデアなどを練ることもできた。

しかし,それも飽いた。

 

さらに,2年前からはコロナ禍となり,咳をするにも周囲を気にしなくてはならない煩しさも重なり,ほとほと長時間の電車通勤に嫌気がさした。

 

加えて,下二人の保育園の送り迎えをいつまでも妻に任せておくわけにはいかなかった。妻だって働く身だ。

 

私の仕事は三年勤めれば,別の場所への異動希望が出せる。

前の職場で3年目となった昨年から,次の年の異動を見据えて,世話になっていたトヨタのディーラーに相談し,新車の契約を済ませた。

昨年10月のことだ。

 

その時から担当者には

「コロナで工場がストップしているので,納車は来年2月以降になりますが,3月までには届くと思うので,新年度には間に合いますよ。」

と言われていた。

 

ところが待てど暮らせど新車はこず,

「申し訳ありません。4月には間に合いません。納車は5月になります。」

と担当者から申し訳なさそうな電話がきたのが3月。

 

納車が遅れているのは業界全体の問題なので,彼に全く非はない。

「仕方ないですよね。」

と相槌を打つしかなかった。

 

そして,5月になった。

1ヶ月ごとに更新している電車の定期を購入するかどうかを判断しなければならないので,担当者に電話を入れた。

 

「正直,5月中も厳しいと思います。でも,もうすぐくることは確かです。」

担当者は苦しい返答。

 

やれやれ。

5月の定期も買うことになりそうだ。

私の電車通勤はいつまで続くのだろうか。

 

車がない。

関係ないけど,「時間がない」をかけてみる。

 


www.youtube.com

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

通勤のこともあるが,早く自分の車が欲しい。

 

勿論不便なのもあるが,自分の車の中というのは基本的に一人の空間なので,一人でいる時間を確保したいという気持ちが強くなっているのだと思う。

 

家族がいれば家の中では勿論一人の時間はない。

通勤は電車なので朝夕ともに満員だ。

職場では当然人と顔を合わせる。

 

通勤時だけでも,ラジオや好きな音楽を聴いて自分の時間一人の時間を過ごしたい。

 

振り返れば「マイ・カー」というプライベート空間では,これまでも様々な(仕様もない)ドラマが生まれてきた。

 

最初の愛車はスズキジムニーの「ワイルド・ウインド」。

初代愛車 スズキジムニー「WildWind」

この車は90年代後半のモデルなので,私が購入した時点で15年落ちくらいだった。

上司が 見つけてきてくれたもので,フロントグリルがついてながら28万円という超格安の代物だ。

憧れのマニュアル仕様。

 

しかしこのジムニー,相当にボロかった。

カーステはもともとカセットテープ仕様だったのを,中古車屋の主人の好意でCDに換えてもらったのだが,それくらい古かった。

 

クーラーは一応ついているが,夏は温風しか出ず窓を全開にするしかない。

その窓も,ギリギリ電動開閉式だったが,こいつも機嫌が悪い時には全く駆動せず,ドア下の配線を手探りでいじらないと開け閉めできないこともしょっちゅうだった。

 

夏に窓が開けられないという事態に陥れば,車の中にいながら熱中症どころが死の危険性すら伴う。

 

さらに長時間走り続ければ,よくオーバーヒートを起こした。

夜通し走って九州を縦断し,帰ってきたその夜にはボンネットから黒煙が上がった。

 

一応4人乗りだけど,2人以上乗せようと思うと,荷台をつぶして後部座席をつくらなければならず,それも結構面倒だった。

 

まあそれでも,かわいい車だった。

手がかかる奴ほど愛着が湧くのは人間も一緒だが。

メンテナンスも,自分で道具を買ってきてよくいじっていた。

 

しかしかわいいジムニーとの日々も数度目かのオーバーヒートにより終焉を迎えることとなった。

暗闇の中,レッカー車に運ばれていくのを見送ったのが,奴を見た最後の姿となった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

次に愛車となったのは,やはり中古で買ったホンダのインサイト

第二代愛車 ホンダインサイト

初代に比べると,全く手がかからなかった 二代目。

クーラーは効くし窓は開くし(当たり前)。

ちょっと地味だし,白だったので社用車っぽい印象を与えたことは否めなかったが,乗りやすい車だった。

 

現在妻と共用で使っているトヨタシエンタはアクセルペダルが私には合わず,長時間運転していると右脚がつりそうになるのだが,インサイトは全くそんなことはなかった。

 

今から思うと,はやって手放さなければよかった。

まだ10万キロも走ってなかったし,十分いい車だった。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・

 

そして,三代目になる予定なのが,トヨタカローラクロス。

第三代予定 トヨタカローラクロス

昨秋,投函されていたトヨタのカタログを見て一目ぼれ。

 

はやくこないかな。 

待つ時間も楽しみの一つではあるのだけれど,いささか待ち過ぎました。

 


www.youtube.com

 

 

 

Come up DSDC!

2日(月)は,代休で職場に行かなくてよかったので,午前中に在宅で仕事をすませて昼からは主夫業に専念していた。

 

長男が15時過ぎに帰ってきて,次男三男の保育園に迎えに行かなければならないので,それまでに夕飯用の米を仕込んで,みそ汁の準備をする。

 

玉ねぎと人参,ジャガイモを切って鍋に入れ,冷蔵庫から味噌と豆腐を出そうとして・・・気が付いた。

豆腐がない。

火にかける前でよかった。

 

コンビニに買いに走ることに。

自宅から歩いて1分のローソンへ。

 

豆腐だけを買ってお店の外に出て,バッグに豆腐をつめながら,無意識に向かい合った窓のライブ告知に目が留まった。

ほう。

Deep Sea Diving Club,福岡に来るってよ。

 

sisoa.hatenablog.com

 

しかも,チケット発売始まってる。

6月30日(木)って,何か予定入れてたっけ?

平日なので,アフター5はフリーの可能性が高い。

会合や子どもの病院が入っていなければ・・・。

 

素早く写真を撮り,自宅に戻ってからスケジュール確認をする。

 

やはり,6月30日は予定入っていない。

 

すぐさま,「ローチケ」の会員登録をすませ,電子チケットの購入をし,同時にAmazonで彼らの1stフルアルバム「Let's go!DSDC!」を注文する。

 

こういうのは勢いが大事なんだ。

 

アルバム「Let's go!DSDC!」は翌日届いた。

意識的にキリンジの「11」と風くんのアルバムも入るように撮ってます。

どちらも機会あればレビューしたくなるくらいよかったです。


まあ,今回はDSDCのことを書きますが。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

Deep Sea Diving Club 1stAlbum「Let’s go DSDC!」

ここからは簡単なアルバム評。

 

1 Let's go!DSDC!

2 CITY FLIGHT

3 SARABA

4 Just Dance feat.kiki vivi

5 FLACTAL

6 in E(inst)

7 Happy Feet

8 フラッシュバック’82 feat.Rin音

9 Interlude(for Early Summer)

10 T.G.I.F(A LONG VACATION)

11 SUNSET CHEEKS feat.Michael Kaneko

12 おやすみDaydream

13 lostpeople

14 cinematiclove

15 あくまとおどる(acoustic ver.)

16 ランデブー

 

Deep Sea Diving Clubは, 基本的にグルーヴ重視のバンドだ。

以前の記事で紹介した「Just Dance」も心地よいBGMとしてとても秀逸なナンバーに仕上がっている。

 

特徴的なのはリラックスした(変にイキってない)谷のボーカルと,曲の後半に印象的なリフでカタルシスを持って行く鳥飼のギター。

 

2曲目「CITY FLIGHT」では,レイドバックした落ち着いた曲調が続く前半。

この佇まいと少しキラキラした雰囲気は,何だろう。

90年代のJPopの雰囲気を思い出す。

歌い方が久保田利伸っぽい。

 

中盤の谷のラップとメンバーのコーラスが心地よく,その流れからのサビ,そして鳥飼のギターソロへと続くあたり,さりげない仕掛けながら緻密な構成の曲だなあと思う。


www.youtube.com

 

3曲目「SARABA」では,谷のボーカルに鳥飼がギターのリズムが絶妙に絡み合う。

このテクニックは昔ジャック・ホワイトあたりが多用していたが,あんなに重くならずにあくまでさりげなく,こなれた感じなのがよい。

なかなかクールな曲ですよ。


www.youtube.com

 

アルバム通して聴いてみた感想は,確かな演奏技量を土台にしてアメリカン・ポップ(アースウインド&ファイヤーやマイケル・ジャクソンなど),ヒップホップ,そしてジャズなどがごった煮になっている感じ。

 

故に,ジャンルという括りで捉えれば,アルバム全体としての統一感はまるでない。

だけど,不思議な風通しのよさだけは一貫している。

バンドとして,どんなグルーヴを生み出したいのかというイメージは,ある程度メンバー内で共有されているのだろう。

 

こういう,グルーヴ重視のバンドはライブが楽しいんだ。

リリックで聴かせるバンドは,ボーカルの当日の調子次第というところもあるけれど,「ボーカルも楽器の一つ」みたいな位置付けのバンド(レッド・ツェッペリンハッピー・マンデーズみたいな)は,うまくはまればアルバム以上のカタルシスを与えてくれることが多い。

 

何はともあれ,ライブ久しぶりだな。

 

ちなみに,ローソンのライブ告知,翌日には別のバンドのに貼り変わってました。


やっぱり,神様が「行け。」と言ってるのでしょう。


 小さな楽しみが,またひとつ。

Let's Go! DSDC!

Let's Go! DSDC!

Amazon