音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

バイバイ,METAFIVE!

車が,まだこない。

 

ディーラーから「8月末」と言われていた納期予定はとうに越え,次は「10月中」ということだった。

 

もう何も信じられない。

 

契約してもうすぐ一年。

 

ディーラーは10月と言っているが,それもまたずれ込むことだろう。

 

年内の納車は無理だろうと勝手に思っている。

 

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6月からディーラーから借りたレンタカーで通勤をしていたが,賃料が結構高い上に,納期遅れだというのにきっちり言い値を持って行かれたので見切りをつけ,1か月で返却することにした。

 

7月末からもう少し安くしてくれる別のレンタカー屋で,軽を借りた。

スズキのワゴンRだ。

 

だいぶ年式が古いが,冷房はきちんと効くし,ディーラーで借りていたレンタカー代の半額なので文句は言えない。

 

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先週金曜日のこと。

そのワゴンRを運転しつつ,いつものようにカーラジオを聴きながら帰っていた。

 

私が愛聴しているラジオ番組では,毎週金曜日にタワーレコードの店長が電話出演し,最新の音楽動向などを話してくれる。

 

その日もタワレコ店長が,その週の動向を話していた。

 

そして一息入れた後,思い出したようにつぶやいたのだ。

 

「来週,メタファイヴの新作が出ますねー。」

 

そうだった。

 

9月14日はメタファイヴのラストアルバムのリリース日だ。

 

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家に帰って,Amazoneで検索をかけてみる。

 

すぐにメタファイヴの新作「METAATEM」が表示されたが,なぜか全てブルーレイディスク付きのデラックスエディション。

 

別に普通のでよかったのだけど,他に選択肢がないようだ。

 

厳密に言うと,「普通の」デラックスエディションと,「メガジャケ付の」デラックスエディションの選択肢はある。

 

値段の差が600円程度だったので,これくらいの差ならメガジャケでもいいかーと思い,ポチっと押した。

それでも5000円はちょっと高かったな。

 

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ということで,今朝「METAATEM」は届いた。

 

それから,午前中を通して繰り返し聴いている。

 

もう4周目。

 

なかなか一言では言い表せない作品だ。

 

ラストアルバムだからと言って,ノスタルジックに耽るわけでもない(当然そんなのは期待してない)。

 

無機質なビートが畳みかけるように響き,曲全体がうねりを増しながら突き進む「The Paramedics」(2曲目)。

プライマルスクリームのエレクトロニカ三部作の中でも最高傑作との呼び声が高い,「Xtrmntr」(2000年)を彷彿させるノイズ・ウォール。

 

次の「By The End Of World」(3曲目)では,ベース音が奔放に跳ね回る。

ビートルズの「Taxman」(1966年)を思い出させるような,テクニカルでいて素朴でもリズムが立っている佳曲。

 

Yukihiro Takahashi(「METAATEM」特典ブルーレイディスクより)

「とりあえず耳障りのよい音楽を作れば売れるだろう」

なんていう打算を微塵も感じさせない乾坤一擲のラストアルバムだ。

 

そもそも「売れる作品をつくろう」とすら思ってないんじゃなかろうか。

 

極めて先鋭的な実験性を持ちながら,ギリギリリスナーを置いていかないポップネスを失わない絶妙なバランス感覚。

 

さすがに,日本の音楽界に革命を起こしてきたレジェンドたちによるスペシャルバンドだ。

 

そんなカオスのような作品も,ラスト曲「See You Again」では目の前の景色が突然開けるような,清新な感覚を覚える。

 

朝が来ればいいさ

そして 歩き出す

それが何処だろうと 信じていこう

生きるって嬉しいな

生きるって 悲しいな

一人きり 夢を 追い続けてる

 

I'll see you again 雨が止んだ頃に

Playing to the end 陽が沈むまで

I'll see you again 闇が明ける時

So we take the pain また晴れるまで

METAFIVE「See You Again」

 

決別の歌だ。

 

メンバーに対してだろうか。

それとも,リスナーに対してだろうか。

 

後半の英詞部分を和訳したら以下のようになる。

 

「また会おう 雨が止んだ頃に」

「最後まで演り切ろう 陽が沈むまで」

「また会おう 闇が明ける時」

「それで痛みに耐える また晴れるまで」

 

試練を乗り越える覚悟。

最後までやり切る覚悟。

 

そんな覚悟の上で作られた作品だったから,ノスタルジックの欠片もないわけだ。

 

メタファイヴのラストアルバムは,確かにロックの未来を映し出していた。

 

決別は後退ではない。

前に進むための,お別れ。

 

See You Again,メタファイヴ!

 

 


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