「音楽と服」が勝手に選ぶ2022年アーティスト・ベストドレッサー
年の瀬も押し迫ってきました。
今年はここ数年になくベテランや若手アーティストの新作に多く触れた一年になった。
その中から,勝手にベストドレッサーを選出してみた。
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1位 藤井風
若干ミーハーな気もしないでもないけど,1位は藤井風くん。
勿論音楽も好きなんだけど,彼のファッションに関しては昨年の紅白のときから気になっていた。
部屋着のようにリラックスした雰囲気のグレイ上下に,足元はファーのようにもっこりボリュームあるスリッパ。
その格好で実家の倉庫でピアノを弾きまくっていたかと思えば,そのまんまの格好でNHKホールに登場するというサプライズ。
実家での映像は実は録画だったというオチですね。
このブックレットの写真も,つきはぎのセットアップのところどころにアクセントカラーの赤や紫を散りばめ,目の上にペイントを施して差し色にするという芸の細やかさ!
アルバムも普通によかったです。
節回しとか歌詞なんかに一癖あって(しかも言葉選びのセンスが素晴らしい),それでも一級のポップアルバムに仕上がってるから不思議。
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2位 アークティック・モンキーズ
2位はアークティック・モンキーズ。
こちらは王道なロッカー・ファッションか。
でも,デビュー当初から彼らの活動を追っている身としては,その音楽的成長とともに変化してきたファッションに注目してしまう。
10代でデビューした頃のアレックス・ターナー(フロントマン)は,ポロシャツにジーンズのどこにでもいる学生のような風貌だった。
それが2013年「AM」の頃(20代後半)にはロカビリースタイルになり,現在は腕まくりをしたシャツを大きくはだけて大人の色気を醸し出すイケオジになった。
新作でも才気が爆発している。
静謐さと熱量がぶつかり合うような作品だ。
年明けには来日も決定しているアークティック・モンキーズ。
コロナ禍以降初めての日本のステージで,アレックスらがどのようなステージを見せてくれるのか,楽しみだ。
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3位 ハリー・スタイルズ
絶賛爆売れ中のハリー・スタイルズ。
私も年末に「ロッキング・オン」の年間ベストを読んでから「ハリーズ・ハウス」を購入した。
頭の中を空っぽにして聴ける軽やかなポップ・ソングの連打で,タイトル通りに一人で部屋に聴くのにちょうどいい。
ジャケットに写るハリーの格好は目を引く。
トップスは,襟の形やシルエットが中性的な雰囲気を醸し出すフレア調のシャツ。
この特徴的なトップスに合わせているボトムスのシルエットが秀逸。
70年代に流行ったベルボトムっぽいけど太腿部分もゆったりした造りになっていて,実は今っぽいデザインだ。
自分では絶対に着れないアイテムだけど,スーパースターならではですね。
シングル「アズ・イット・ワズ」はなかなか爽快な一曲です。
ハリー・スタイルズのPVは初めて観たけど,印象としてデヴィッド・ボウイっぽいなあと感じた。
似せているというより,色使いとかファッションの感覚が似ているというか。
中性的なところなんかだと思うけど。
まあ,ハリー・スタイルズのほうがだいぶ男臭いですけどね。
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ということで,「音楽と服」が勝手に選ぶ2022年アーティスト・ベストドレッサーでした。
本当は他にも取り上げたいアーティストはたくさんいました。
飾り気のないブラウンのスウェット上下姿でアルバムのアートワークを飾っていた宇多田ヒカル。
ハットにサングラス,上半身裸に手袋,ボクシングパンツにブーツという(いつも通り)奇抜な姿でアルバムジャケットに収まっていたアンソニー(レッチリ)など。
もし,皆さんが
「このアーティストのファッション,気になってるんだけど…」というものがありましたら,ぜひ教えてください。
さ,年末ですね。
早く仕事を片付けて,年越しモードに突入したいところです。