200回目の御礼
おかげ様で,この記事が200記事目になります。
前回,100記事記念に,これまでの記事で登場回数が多かったアーティストをランキングで紹介するという試みを行いました。
ということで,今回も101記事〜199記事までで,登場したアーティストの回数を集計してみました。
「音楽と服」というコンセプトながら,この半年ほどの音楽的嗜好がかなり反映された結果になりました。
カッコ内は登場回数です。どうぞお楽しみください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第5位 KIRINJI(4回)
まず第5位だが,4回登場で4アーティストいる。
ちなみに第2位が3アーティスト(5回登場)いるので,2位の次はもう5位ということになる。分かりにくくてごめんなさい。
第5位一組目はKIRINJI。
個人的に今年一番の収穫はKIRINJIの魅力を発見したことだと言っていい。
一言で「KIRINJI」と言っても,その形態は時期によって様変わりしている。
第一期:兄弟(堀込高樹・泰行)でのデュオ
第二期:バンド(堀込高樹、田村玄一、楠均、千々崎学、コトリンゴ、弓木英梨乃)
第三期:ソロ(堀込高樹)
私が現在深掘りして行ってるのは第二期なのだが、一般的な認知度や評価が高いのは間違いなく第一期なので、KIRINJIの名盤発掘はまさしく金脈を探し当てるよう。
彼らの音楽の本質は間違いなくキャッチーな歌謡曲だと思うが,様々な音楽的アプローチによって,スタイリッシュに洗練されているのが素晴らしい。
第5位 アークティック・モンキーズ(4回)
第5位二組目はアークティック・モンキーズ。
今年11月に4年ぶりの新作をリリースした。
彼らはもともと,2000年代の後半にポストパンク・リバイバルの真打ちとして登場した,バリバリのギター・ロック急先鋒だった。
ソバカスだらけの少年たちが鳴らす尖りまくったギターサウンドは生意気で挑発的で,それでも不思議な高揚感を内包していて,「10代でこれだけ完成されていて,この後どこへ行くのだろう?」といらぬ心配をしてしまったほど。
その後彼らは2014年の5枚目「AM」で遂に全米・全英一位を奪取し,全世界600万枚以上のプラチナ・セールスを達成して世界制覇を達成する。
この成功で「シーンの流行にとらわれる必要がなくなった」(アレックス)彼らは,独自の路線を追究し始める。
前作「TRANQUILITY BASE HOTEL+CASINO」では大胆にピアノで作曲した作風にシフトチェンジした。
今作ではギター・サウンドも復活しているものの,基本的には前作から地続きである静かで懐の大きな世界観を維持している。
デビュー当時と同じバンドとは思えないが,だからこそ正しく成長を重ねてきた,偉大なバンドなのだと思う。
第5位 オアシス(4回)
第5位三組目はオアシス。
まあ私はハンドルネームの元ネタに使うくらいだから,基本的にオアシス関連の記事は多いわけです(前回100記事目のランキングでは8回登場の2位)。
再結成するかどうかというゴシップ記事を読むのもそろそろ飽きてきたが,ここ数年はギャラガー兄弟のソロプロジェクトがいよいよ充実してきたので,もはや必要感がかなり薄れてきた感もある。
それでもまあ,万一再結成が実現して,来日が決まろうもんなら,どんな手を使ってもチケットを取り,仕事を休んでもライブに行くと思うのですけどね。
それがいつになるのやら,現時点では全く見通しもないわけですが。
第5位 ジャック・ホワイト(4回)
第5位四組目はジャック・ホワイト。
個人的には,彼の2022年の活躍がとても嬉しかった。
ジャックのことはホワイト・ストライプスの後期からずっと追っかけてきたが,2020年代に入ってコロナを経ても尚音楽的成長を止めず,圧倒的な熱量の新作を叩きつけてきたことに拍手を送りたい。
観には行けなかったが,フジロックでは満を持してのヘッドライナー出演。
近い将来私が苗場の地に戻った時に,願わくば邂逅を果たしたいアーティストの一人でもある。
それにしても今年リリースした2作はどちらも本当に素晴らしかった。
枯渇することのないその才能と,本質を追究し続ける姿勢に改めてリスペクト。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第2位 ベック(5回)
ようやく第2位の発表となります。
第2位一組目はベックで,5回登場。
ベックというアーティストは,意外と日本での認知度は低い。
年配のロックファン層からすると「ベック?ジェフ・ベックじゃなくて?」という反応だし,私と同世代(30~40代)のロック・ファンからしても,オルタナ(ニルヴァーナとか)とブリット・ポップ(オアシスとか)の狭間にちょっと流行ったヒップホップのお兄ちゃん(「オデュレイ」のヒットで)というイメージが強い。
しかし,ベックの本当の凄さは2000年代後半から2010年代にリリースされた作品群を聴いて初めて理解できる。
戦慄を覚えるほどに前衛的で,しかしポップで,1960年代後半の一番すごかった頃のビートルズを思わせるような充実ぶりなのだ。
特に2000年代の「グエロ」,「モダン・ギルト」。
2010年代の「モーニング・フェイス」,「カラーズ」は必聴。
騙されたと思って是非一度聴いて頂きたい。
第2位 ザ・ローリング・ストーンズ(5回)
第2位二組目はローリング・ストーンズ。
と言っても,バンドとしての登場に加え,ブライアン・ジョーンズ,キース・リチャーズ,チャーーリー・ワッツ関連の記事を加えたら5回も登場していた,ということだ。
20代前半頃,ビートルズと60~70年代のローリング・ストーンズのディスコグラフィーを聴き漁っていた。
ストーンズの音楽は,何というか猥雑で中毒的なところがある。
言ってしまえば,何だかどす黒い感じがするのだ。
だから一度沼にはまってしまうとなかなか抜け出せないのだが,ある日ぱっと聴かなくなる。
それでしばらく忘れていて,ある日何ともなしに聴きたくなって,また沼にはまって・・・。
というのを7~8年周期で繰り返しているような。
来年夏には新作発表が控えているというストーンズ。
それまでメンバーには元気でいてもらいたい。
なんたって,もう80過ぎても転がり続けているんだから,凄すぎるよ。
第2位 リアム・ギャラガー(5回)
第2位三組目が元オアシスのリアム・ギャラガー。
私は長いことリアムのソロを聴くことには躊躇があった。
それは,オアシス解散後に結成したビーディ・アイの終わりがあまりに寂しすぎたことと,その後の彼の数年にわたる隠遁生活の記事を読むにつけ,期待しても無駄ではないか・・・という思いのほうが先行していたからだ。
しかし,それは今年リリースされた新作「C’mon You Know」で完全に払拭された。
リアムはオアシスの幻影を追いかけることをやめ,自身がソロで「ロックンロール・スター」であり続けるために何をすればよいのかを模索し,そして実行に移してきた試みが見事に結実した傑作だったのだ。
オアシスの解散も,ビーディ・アイでの挫折も,リアムが本物の「ロックンロール・スター」になるための布石だったのか・・・と考えると,こんなにドラマチックなことはない。
果たして,リアムとノエルに待ち受ける未来は,どのようなものなのか。
再結成があろうが,ソロキャリアの充実に向かおうが,その未来が輝かしいものであることを,いちファンとしては願わずにはいられない。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
第1位 レッド・ホット・チリ・ペッパーズ(6回)
お待たせしました。
第1位は,レッド・ホット・チリ・ペッパーズです。
2022年はジョン・フルシアンテ再復帰後初のアルバムリリース(しかも2枚も!)ということで,随分ロックシーンを盛り上げてくれた。
最初に出た「アンリミテッド・ラブ」は正直あまりピンとこなかったが,今年2枚目の「リターン・オブ・ドリーム・カンティーン」で真骨頂のジャム・セッションを見せつけた。
ジョンとの「言葉を使わなくて済むコミュニケーション」をフリーが切望してきた意味が理解できたし,だからこそジョンの復帰に先立って脱退を余儀なくされた前ギタリストのジョシュ・クリングホッファーへの慕情も余計に募った。
個人的には,ジョシュについて書いた下の記事には,かなり思い入れがあります。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ということで,200回記念のアーティスト登場回数ランキングでした。
200回も続いたのは,勿論書いていて楽しいからなのだけど,楽しいのは読者の皆様との交流があるからです。
毎回コメントをくださる方,スターをつけてくださる方,読んでくださる方,皆様が私のモチベーションの源です。
いつもいつもありがとうございます。
本当に感謝しかありません。
今後とも「音楽と服」をよろしくお願いいたします。