音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

「音楽と服」のもと

昨日,「読書ノート」を一冊つけ終わった。

この一冊に要した期間は,今年の6月26日から10月8日まで。

約3ヶ月か。

 

平均的なペースと言ってもよいだろう。

 

私は2016年の9月から,かれこれ6年以上,毎日ノートをつけ続けている。

この習慣を始めてからは,1日も欠かしたことはない。

 

現在,24冊目が終わったところだ。

 

ノートは「エトランジェ・ディ・コスタリカ」のA4版,方眼仕様。これ一択。

新聞記事やら本の帯やらを貼り付けているので,使い終わる頃にはパンパンに膨れ上がっている。

だから,仕事鞄の中でもかなりの容量を占めるようになる。

 

このノート,もともとは奥野宣之氏の著書「読書は一冊のノートにまとめなさい」を読んでから始めたもの。

 

それまでも,いくつか思考法やメモ術を試してきたが,結局はこの方法が私には一番合っていた。

 

一体何が合っていたのか?

それは「全てが一冊で完結する」という一点に集約される。

 

わたしは大層ズボラな性格で,整理整頓が下手くそだ。

ファイリングなんかも大の苦手である。

 

だからこそ,仕事での学びなどの記録を含め「このノートに全てが詰まっている」ということが分かっているので,記録をする際にも迷わないし,資料を探す手間も省ける。

 

ものぐさな私にとって,いいことづくめなのだ。

 

別に仕事用と限定しているわけではなく,日々の雑感から趣味に関することまで全てを記録している。

 

それでは,このノートをどのような用途で使っているのか,紹介していきたい。

 

 

1 スクラップ・ブックとして

今年の7月に,読売新聞に「フェス,コロナ禍越えて」という見出しの記事が出ていた。

 

その見出しが気になった私は,記事を縮小コピーに取ってノートに貼り付けておいた。

 

このノートはスクラップ・ブックとしての側面を持っている。

しかし,記事を貼って終わりではなく,その記事を読んで自分が思ったことや考えたことを雑感として記録するようにしている。

2022年7月13日読売新聞の記事について考察

乱筆でお見苦しいが,こうした考察を一行,二行でもいいので書いておくことが大切だ。

 

書いているうちに,始めは思いもしなかった考えに至ることも少なくない。

また,後で振り返りたいときも,その時に考えていたことを記録しておくことはとても有効だ。

 

東大名誉教授だった故外山滋比古先生も,「思考は寝かせよ」と著書に書いておられた。

 

ちなみに,この時の考察は後でブログ記事になった。

sisoa.hatenablog.com

ブログの記事全てをこのノートからひねり出しているわけではないが,たまにノートをふり返ってネタを探すことはある。

 


2 読書ノートとして

そもそも,このノートは「読書ノート」として始めた。

もともと読書が好きだったが,それを仕事や生活にきちんと生かしたいと考えたから。

 

読んだ本の中で,特に刺さった数行を視写している。

そして,その数行に対する考察を書く。これは短くてもいい。

 

この時に,本の帯なんかを貼っておく。

帯って,結構その本のエッセンスが凝縮されていることが多い。

2022年3月26日 養老孟司「ヒトの壁」についての考察

 

 

3 記録用のメモとして

打ち合わせのメモや,研修を受けた時のメモとしても活用する。

 

読書ノートを利用するまで,研修等のメモは資料に直接書いていたが,ファイリングが苦手な私はそれらの資料をいずれ紛失してしまうのだ。

 

研修を受ける時には,メモを読書ノートにするようになって,後からの振り返りが容易になった。

読書ノートはいつも持ち歩いているから。

 

さらに,若手育成の役割を担った時には,後でメモを起こして,資料として配付していたこともある。

 

アウトプットに活用することで,自身の血肉にすることもできた。

 

 

4 アイデアノートとして

仕事柄,パワーポイントを使ったプレゼンテーションをする機会が多い。

そのプレゼンのアイデアをイメージマップなどで書き出し,付箋を並び替えるなどして構成を整えていく。

 

また,企画のアイデアなども書き出しておく。

長期プロジェクトの場合は,考えていく過程をメモしておき,完成した様式もプリントアウトして貼っておくと,少し期間が空いても,いつ,どんなことを考えていたのかすぐに思い出せる。

 

そのため,このノートには日付の記入は必須だ。

日付は分かりやすいよう四角囲みで書いておく。

今日(2022年10月9日)なら[221009]というふうに。

 

逆に言えば,明確なルールはそれくらい。

 

ルールで縛り付けないことが継続のコツではないかと思う。

 

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この「読書ノート」を始めたのは,30歳を過ぎた頃だった。

 

20代の頃は無我夢中で仕事に取り組んできた。

しかし,ある日ふと我に返ったときに,本はたくさん読んでるけど内容はほとんど覚えていないし,夢中で取り組んできた仕事の記録もハードディスクやUSBの中にわずかに存在するのみだった。

 

自分がやってきたことって,何なのだろうと思った。

 

そんな時に出会ったのが,奥野氏の「読書は1冊のノートにまとめなさい」だった。

実際に取り組んでみると,メリットは単なる「記録」だけでなはなかった。

 

思考を書き出すことで,アイデアが具体化されていくというよさもあった。

 

これ一冊で,記録(読書や研修),アイデア,思考の整理,プレゼンの構成など多様な用途があるのだ。

 

この読書ノートが,仕事やブログも含めて,今の私をつくっていると言っても言い過ぎではない。

 

大切なのは,無理なく毎日続けること。

 

書くことがない日は,一行だけでもいいから書く。

 

「継続」が何よりの優先事項だ。

 

とりあえず,10年続けてみようと思っている。

 

今日から25冊目のノートを使い始める。

まっさらなノートにどんなことを書こうか,そんなことを考えるのも休日の楽しみだ。