音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

やっぱり革の靴が好きなのです。

 最近,スニーカーの人気が復権しているようだ。

確かに,子どもを連れて公園に行くと,グレーのニューバランスを履いた人をよく見かけるし,駅前を歩くと,スーツ姿で歩く人すら足元はスニーカーであることは珍しくなくなった。


私にも愛着のあるスニーカーはあるし,今でもたまに履くことはあるのだけど,やっぱり革の靴が好きだ。


いつからそんな嗜好になったのか,と問われたとしても,私には明確にこの時から革の靴に憧れを抱くようになったと言える瞬間がある。


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それは大学時代の部活のミーティング時のことだ。

私は大学時代,アメフト部に所属していた。


結構ちゃんとした部活で,練習は週5回,オフ日にはウエートトレーニングとミーティングが入り,実質的に毎日をアメフトのために捧げていた。


アメフトのミーティングというのは,練習時に撮ったビデオを皆で見ながら,動きやフォーメーションの確認をするもの。


このミーティングは練習後に部室で行うことが多かった。

アフター練習後に簡易シャワーで汗を流し,近くのコンビニで飲み物や軽食を買い,部室の中央のテレビに映しだされた映像を皆が食い入るように見つめる。


私が大学一年だった秋,部活後のミーティングを部室でやっている時に,たまたまキャプテンが私の横に座ったことがあった。

当時四年生だったキャプテンは,帰る方向が同じで電車が一緒になることも多く,目をかけてもらっていた。


余談になるが,このキャプテンとは大学卒業後,社会人のクラブチームでプレーした時も同じチームで10年近く一緒だった。

とても世話になった人です。


このキャプテン,体育会系男子にしてはかなりのお洒落さんで,当時から服に興味があった私もよくその服装を観察していた。


その日は隣だったこともあり,ミーティングのビデオそっちのけでキャプテンのコーディネートをじっくり観察することができた。

と,今当時を思い出しながら書いていると,まあ極めて気持ち悪いことをしていたなと思う。


キャプテンの服装は,無地の白ロンTに,タイトで色落ちしたダメージジーンズ,そして足元に目をやると,素足にキャメルのタッセル・ローファーを履いている。


私はその履き物を見た瞬間,脳内に電気が走るのを感じた。


「これだ!」


頭の中でももう一人の自分が呟いていた。


「お前が探していたのは,これだぞ!」


そう言っていた。

間違いない。


私が探していたのは,こんな靴だったのだ。


そんな確信が確かにあった。


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その日から,私のローファー探しが始まった。


しかし,シンプルで,ゴテゴテしてなくて,さりげない理想のローファーはなかなか見つからない。


一度,社会人アメフトのトーナメントで関西遠征に行った際に神戸の街を散策していると,キャメル色でいい感じのローファーを見つけたので,試し履きをしたうえで購入した。


このキャメルのローファーは結構気に入っていて,5年くらい履いて,履いて,履き潰してしまった。


ロクにメンテもせずに履き続けたので仕方ないだろうが,気に入りをなくした私はまた,ローファーを探すことなる。


別に高級品でなくていい。

尖ってなくていい。

気軽に履けて,スタイリッシュかつシンプルなフォルムのローファーを。


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ある日,なんとなしに買った,ファッションブロガーMB氏の本を読んでいると,そこに私が欲しかったフォルムのローファーが載っているではないか。


それは,日本の靴メーカー,ハルタがつくるローファーだった。


ハルタの靴は,海外ブランドの靴に比べ,かなり割安だ。学生物のニーズは未だに高く,それが大量生産を可能にしているため,低価格を実現しているそうだ。


それでも,そのシンプルで確かな品質と,そのフォルムは私が欲しかったローファーそのものだった。


しかも,ラインナップの中には,憧れのタッセル・ローファーがあるではないか!


早速通販サイトに飛ぶも,「現在お取り扱いはありません」の文字。

がっかりしたが,諦めずにそれから週2,3回は通販サイトをチェックすることにした。


そうこうするうちに約一ヶ月半,遂に目当ての品の項目が薄字から黒文字に変わった。

急いで確認すると,サイズも間違いない。


満を辞して,「購入」ボタンを押す。

ページは,支払い登録画面に移動した。


そうやってようやく手に入れたのが,このタッセル・ローファーである。

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サイズはぴったり。

カジュアル仕様だが,たまに仕事に履いていくこともある。

手入れをしながら大切に履いている。


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その後,ハルタのローファーとしてもう一つの名品を手に入れたので紹介しておく。

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スポックシューズ。

これ本当に使える。

スリッパみたいに気軽に履けるし,シンプルな形状でかなり汎用性が高い。

冬以外は本当に大活躍の不動のレギュラーです。


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革靴の話ついでにもう一つ。


以前の記事で紹介した,お濠沿いの路面店

sisoa.hatenablog.com

 このお店で購入したブーツがある。

もう,10年以上前になるが,冬のボーナスを握りしめて店に行った際に,そのフォルムに一目惚れして買ってしまった。

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「ハソーン」というブランドの物らしい。

決して安い買い物ではなかった。

当時は独身で自由に使えるお金があったからこそ,買えたようなもの。


この「ハソーン」,調べても「ホワイトブーツ」の姉妹ブランドとしかわからない。

詳しい情報が皆無なのだ。

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踵部分に「 HATHORN」の刻印が。


ソールは,「vibram」。f:id:sisoa:20220201145055j:plain

この「ハソーン」ブーツ,一体どんな背景を持つのか,もし知ってる人がいたら教えてほしいです。


そんなことも知らずに10年間履き続けているのだけど,なかなかいい品です。


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こうして並べてみると,カジュアルで丸っこいフォルムの靴が好みなのだなあと改めて思う。


革の靴は,経年変化でいい味が出てくる。

足に馴染んでくると,履いて歩いているだけで気分がいい。


今のところ現ラインナップに満足しているが,ぼちぼち新顔が欲しくなるだろう。


はてなブロガーさんのお薦めも是非参考にさせていただきます☆


それでは!