音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

あの焼酎キープは何処へ~徒然なるままに金曜日~

乗換駅で電光掲示板を見上げたら,次の電車は23時02分だった。

 

腕時計で確認すると,時刻は22時30分。

 

あと30分以上待たなければならない。

 

私の中で「ホームで次の電車が来るまで待つ」という選択肢は一瞬で消えた。

 

そのままホームからエスカレーターを駆け降り,駅前の居酒屋へ向かう。

 

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久しぶりに22時近くまで残業した。

 

一緒に出た上司に途中まで送ってもらい,電車に乗れたはいいが,乗換駅で30分以上待ちぼうけというのはちょっと空腹に耐えきれそうにない。

 

もともと上司に声をかけられなかったら,駅まで歩いていきがてらラーメンでも寄って帰ろうと思っていたところだ。

 

普段はできるだけ早く帰ろうと帰宅時はかなり焦っているけど,遅くなるなら逆に子ども達も寝静まった深夜のほうがいい。

 

決して昨日の「むらよし農園」(※1)で話題になってた「いごっそ」に影響を受けたわけではない。多分。

(でもむらよしさんのブログに登場する美味しそうなラーメンの写真はいつでも帰宅中の私の心を誘惑してくれます笑)

 

無性にラーメンが食べたかったんだ。

 

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そういうわけで,駅前の居酒屋「山小屋」に入る。

 

入ってすぐ席を確認するが,カウンターは既に埋まっている。

テーブル席もグループの客でほぼ満席。

金曜だからか,なかなか繁盛している。

 

窓際の小さなテーブル席が空いていたので,そちらに腰掛けることにする。

 

私が座ったのと同じタイミングで,私のはす向かいに座っていた年配の客が立ち上がり,入り口をそっと閉める。

どうやら,私が入るときに少し開けてきてしまったいたらしく,冷たい風が入ってきていたようだった。

 

「ごめんなさい。」

と口の中で小さくつぶやいたが,きっと聞こえていないだろう。

 

店員さんを呼んで昭和(むかし)ラーメンのから揚げ定食セットを注文。

正直ラーメンさえ食べられればあとは何でもよかった。

 

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注文を済ませて落ち着くと,店内にBGMがかかっていることに気づいた。

 

よくよく耳をすますと,レッチリの「ダニー・カリフォルニア」だった。

この曲は人気アニメ映画の主題歌だったせいで,J-Popに交じってよく流れていたことを昨日のように思い出す。

 

そういえばこの曲が流行ったころには,飲みに行った帰りによくラーメン食って帰っていた。

 

ほどなく注文していたラーメンが運ばれてくる。

ラーメンに口をつけながら,私が座っている席の正面に目をやると,台の上に焼酎のキープ瓶がずらりと並んでいることに気づいた。

 

あー,そういえば昔「焼酎キープ」なんてよくやってたっけ。

焼酎を5合瓶ごと買って,次回来た時にも飲めるようにしておく。

瓶に銀マジックで名前書いたり絵を描いたりしてたな。

 

あれも「また来ますよ。」という約束なんだけど,酔っぱらいの約束ほどいい加減なもんはない。

 

キープしておいて,再度訪れてまたキープで飲んだ…ということのほうが少ないのではなかろうか。

というか,1回飲んだきりで,ほとんどはそのままキープしっぱなしではなかろうか。

 

あの,キープした焼酎たちは何処へいったのだろうか。

 

まあ,現実的に考えても一年も経てば捨てられるのだろうけど。

いや,もっと短いかな。

 

「ダニー・カリフォルニア」が流行った頃に通ったお店は今どうなっているだろう。

キープどころか,お店が今もやっているかわからないな。

 

時の流れというのは,街や,人が変わっていくという当たり前のことを現実として否応なく突き付けてくる。

 

気づけば,曲はレッチリからケツメイシの「さくら」に変わっていた。

 

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「山小屋」を出て駅へと向かう。

ちょうど23時前。

 

タイミングよくホームに滑り込んできた電車に乗り込む。

 

イヤフォンからは,オアシスの「ア・ベル・ウィル・リング」。

6th「Don`t believe the truth」収録の,アンディ・ベル作の佳曲だ。


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私は,渋みを増してきたこの時期のリアムのボーカルが好きだ。

リアルタイムで聴いていたからだと思うが,イントロの抒情的なギターの音色からもう持って行かれる。

 

初期のオアシス特有のまぶしさはないが,心落ち着けて聴くことができる,この曲もまた名曲だと思う。

 

そんなことを考えながら曲に意識を集中していると,あっという間に最寄り駅についた。

 

駅から歩いて3分ほどのわが家へ歩いて帰る道すがら,iTunesをシャッフルにしていたら,「サム・マイト・セイ」が流れ出した。


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この曲は,世界的にヒットした2nd「モーニング・グローリー」に収録されているシングル曲だ。

 

この曲の2番Aメロのギター間奏部分がいいんだよ…と熱弁をふるっても誰も分かってくれないんだよなあ…なんて昔ずっと考えていたことを思い出しながら,自宅マンションの階段を一段ずつ上る。

 

 

風が強く,久しぶりに寒い夜だったけど,昔の記憶たちがほのかに温めてくれた。

 

年度末,忙しいけど週末くらいは少し肩の力を抜いて過ごしたい。

例えばこんな感じね。


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そしてできれば,この曲が似合うようなさわやかな日曜の朝を迎えたいなあ。


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などど夜更かしをしながら徒然思いを巡らすのでありました。

 

 

 

※①むらよしむらよしさんのブログ

本気と書いてマジなんだぜ - むらよし農園