アーティストのサングラスどうですか?
先週,松村雄策さんの追悼記事を書いたときに,松村さんの連載記事「レコード棚いっぱいの名盤から」を確認するために「ロッキング・オン」のバックナンバーを読み漁っていた。
ある号の「レコード棚いっぱいの名盤から」を読んでいるときに,ふと見開きの左隣のページが目に入った。
特集記事が組まれており,タイトルは「あなたの好きなマイルス・デイヴィスのレコードは何ですか?」。
気になってそちらも読んでいくと,どうやらロック・アーティストの間でマイルズ・デイヴィスのレコード人気ナンバー1は「Bitchs Brew」らしい。
このアルバムは,ジャズ界屈指のトランペット奏者であるマイルス・デイヴィスがロックとジャズを融合させた革新的な作品として知られていて,「フュージョン」の先駆けともいわれている。
私は15年以上前にこのアルバムを購入していたが,当時はよく理解できずに2,3回聴いたのみでCD棚に放置していた。
このアルバムを,久しぶりに棚から取り出して朝から聴いていた。
妖しげなトランペットの音色とエレキギター,ベース,ドラムなどが創り出す雰囲気には独特なループ感がある。
これは聴きこんでいくと,はまりそうな予感。
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ところで,「Bitchs Brew」の裏ジャケには,サングラス姿のマイルズの写真がプリントされている。
というか,マイルズと言えばいつもサングラスをかけているのだけど。
しかも,エレクトリック・ジャズを手掛けるようになった70年代以降のマイルズの写真を見てみると,このように顔の半分を覆うのではないかと思えるほど大きな,丸みを帯びたサングラスをかけていることが多い。
このマイルズのサングラスの写真を見ながら,サングラスも,服と同じようにトレンドがあるなあ,というようなことを考えていた。
私もサングラスを一つ所有しているけど,それは2000年代半ばに小さなセレクトショップで購入したもの。
当時は上のマイルズのほど極端ではないが,大きめの丸みを帯びたデザインが流行っていて、私が購入したのも例にもれずそのような形をしていた。
縁はべっ甲柄を選んだけど。
当時はどこのお店に行っても,似たようなデザインのものばかりだった記憶がある。
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2010年代に入ると,流行が変わってきた。
下のノエル・ギャラガーがかけているような,やや小ぶりの四角型が多くなったのだ。
ちなみにこれは,レイバンのもの。
結構,ロックアーティストはレイバンかけてること多いですね。
この時期には,大ぶりなサングラスは店で見かけなくなり,「レイバン型」ばかりを見るようになる。
私もこの時期に,サングラスではないがレイバンの眼鏡を購入し,今でも使っている。
主張しすぎない普遍的なデザインなので,流行に関わらず,ずっと使えそうだ。
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2010年代も後半に入ってくると,「丸眼鏡」が台頭してくる。
ノエルの弟・リアムは昔から丸眼鏡型のサングラスをかけていた。
彼の場合は流行よりも,ジョン・レノンへのリスペクトがそうさせていたのだろう。
ちなみに,私は丸眼鏡だけは挑戦したことがない。
この形は結構人を選びそうなイメージがあって,まだ手を出せていない。
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サングラスのアーティストと言えば,この人も忘れてはいけない。
ルー・リードだ。
ルーのサングラスは,アメリカのポリスがしているようなイメージ。
なんだか,いかついイメージですよね。
この形もなかなかに人を選びそうなデザインだが,不思議とレイバンのラインナップには常にこの形があることを考えると,根強い人気があるのだろう。
昔,父にこの形のレイバンのサングラスをプレゼントしたことがあるけど,あまり使ってないようです笑。
こんなサングラスをかけている親父がいたら格好いいと思うんですけどねえ。
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村上春樹は以前,スガシカオと対談したことがあるらしいけど,スガは
「普通の人は眼鏡をかけて変装するけど,僕の場合は眼鏡をはずすと変装になるんです。」
と語っていたらしい。
素顔が変装になるってなんか得ですよね。
確かに,眼鏡をはずしたスガシカオが歩いていても,誰も気づかないだろう。
ちなみに,私sisoaのアイコンはサングラス姿ですが,これは井上陽水さんの似顔絵(のつもり)なので,普段はきちんと素顔で生活しています。
みなさんはどんな形のサングラスがお好みでしょうか。