こんな音楽を聴いてきた
3月から4月にかけて,レッチリやらサカナクションやら,好きなアーティストたちがたて続けに新譜を出してくれたおかげで,聴きたい音楽は溢れかえっている。
しかし,結局はヘビロテでかけるのはKIRINJIのベストに落ち着いた。
最近妻も仕事が忙しくなったせいで,私と同じように早朝に起きてくるようになった。
先日,いつものようにKIRINJIのベスト「20132020」をかけていたら,
「こんなん聴くようになったん。だいぶ変わったね。」
と言われた。
彼女が言う「こんなん」とは,例えば弓木英梨乃がリードボーカルをとり,feat.YonYonの「Killer Tune Kiss Me」。
囁くような内省的な歌詞を紡ぐ弓木のボーカルに,YonYonの韓国語ラップが自然に馴染む,シティーポップナンバー。
いいじゃない,と思うのだけど,確かに少し前には決して聴くことのないジャンルだったかも知れない。
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「四国に行ったときの車の中でかけてた曲は全然違ったよ。」
と妻が言うので,回想してみる。
四国。
確かに行った。まだ結婚する前,遥々四国まで車で旅行した。
2011年の夏かな。
あの頃聴いてたのは,どんな曲だったか。
思い出した。
確かストロークスのアルバムが久しぶりに出た年で,春から夏にかけてそればっかり聴いていたのだ。
特に2曲目の「Under Cover of Darkness」が好きで,ドライブしながらよくかけていた。
桂浜から高知北部の山深い山地を越えて香川へ。
山間部に点在する知られざるうどんの名店を巡ったのは懐かしい思い出だ。
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この頃は,フジロックに毎年のように行っていた頃で,クラブミュージックにも随分のめり込んだ。
特にベースメント・ジャックスはよく聴いた。
たった一人で参戦した2009年のフジロック最終日。
スペシャルゲストとして,最後の最後にメインステージに登場したのがベースメント・ジャックス。
迫力あるコーラスに派手なサウンドで,グリーンステージをあっという間にパーティー空間に変えた。
この頃リリースされた「スカーズ」と,「フント」はベースメントのディスコグラフィーの中でも特に一押しのアルバムだ。
「レインドロップス」,懐かしいなあ。
やっぱり名曲。
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最初に洋楽に目覚めたのは,グリーンデイから。
よくある「バスケット・ケース」からではなく,3rd「Warnig」の「マイノリティ」を気に入った。
確か,よく聴いていたラジオ番組でプッシュされていたのだと思う。
初めて洋楽のアルバムを買い,高3の冬には来日ライブにも行ってきた。
ベースのマイクが,写真で見るより大きくて,かっこいいなあと思ったのを覚えている。
今ではドーム,アリーナクラスの彼らが,まだライブハウスを回っていた時代だ。
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こうして自分の聴いてきた音楽遍歴をたどってみると,ずいぶん色んなジャンルに親しんできたものだと思う。
でも,多かれ少なかれ誰しもそんなものじゃないだろうか?
メロコア~パンク(スカ)~UKロック~60・70年代ロック~クラブミュージックときて,最近ではジャズや日本のロック(サカナクションやKIRINJI)だ。
「丸くなったんじゃないの?」
と妻には笑われたが,そうではないと思う。
例えばコルトレーンのセッションはスタジオ録音でも,痺れるような迫力だ。
そしてKIRINJIの「The Great Journey」の緊迫感はどうだ。
一聴しただけで「アグレッシブさがない。」とは決めつけられない。
音楽の深みは,決して音のデカさや即効性だけでは判断できない。
あ,そんな思考自体が「丸くなった」ということなのかな。
いやいや。
「丸くなるな。★になれ。」
ですよ。
今何年振りかで「もっと聴きたい」意欲が次から次に湧いてきています。
次は何を聴こう。
わくわく。