Tシャツは語る2
前回記事で,村上春樹のエッセイ「村上T」に触れたが,世の中に本当に様々なTシャツがある。
私自身のコレクション(と言ってもどれもかなり着ていて,傷みも激しいのだけど)については以前紹介したことがあるが,夏フェスに行けば,アーティストの皆さんは実にバラエティに富んだTシャツを着てステージに立たれている。
そこで,今回は夏フェスで見つけたアーティストのTシャツファッション特集です。
引用は全て「ロッキング・オン」別冊の「BUZZ」より。
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1 ミューズ
ミューズはフジロックでも何度となくヘッドライナーを務めた,押しも押されぬUKロックバンドの代表格。
そんな彼らが,初のヘッドライナーに抜擢された頃のTシャツ姿。
Tシャツというのは,そのサイジングが時代を映していたりする。
ミューズのボーカル・マシュー・ベラミーが着ているド派手なプリントTシャツは体にぴったりフィットするタイトなシルエット。
2000年代半ばから終盤にかけては,このようなタイトシルエットのTシャツがスタンダードだった。
パンツにインするのは今でも見かけるけど,ベルトがかなり主張するデザインになってるところは,現在のトレンドからはやはり距離感というか隔世の感がある。
ベースのドミニクが半袖シャツに細いタイをつけてるが,こんな格好も今見かけないですね。
結構パンキッシュなトレンドだったのだなあと,今となっては思います。
2 ビリンダ・ブッチャー(マイ・ブラッディー・バレンタイン)
二人目は,シューゲイザーの歴史的バンド,マイ・ブラッディー・バレンタイン(マイブラ)のベーシスト・ビリンダ・ブッチャー。
このライブはマイブラ再結成後の初の来日ステージとあって,かなりのプレミア感があった。
勿論私もグリーンステージに詰めていた。
当のビリンダ。
とても可愛らしかったです。
当時すでに40を過ぎていたと思うけど,年齢を感じさせない瑞々しさと激しいベースプレイで会場を湧かせてくれた。
いや,この時のマイブラのライブは本当にネジが飛んでるんじゃないかと思うくらい狂ってた。
終盤,曲の途中で始まったノイズ・セッションは延々と続いた。
5分,10分経っても終わりが見えない。
最初のうちは見逃すまいと,熱心にステージを見つめていたが,次第に耐えきれなくなり,泥濘で黒くなった足元に視線を落とした(まさしくシューゲイザー・・・『つま先を見つめる』の意)。
ノイズは更に続く。
周りを見回すと,他の客も天を仰いだり俯いたりして,その異常な事態に戸惑っていることは明白だった。
20分が過ぎ,ようやくノイズが止み,グルーヴが戻ってきた時,周りにいた誰もが
「助かった」
というような安堵の表情を浮かべた。
なかなか印象深い思い出だ。
終演後,ビリンダは,にこやかに手を振ってステージを後にした。
胸にプリントされたトラが眩しかった。
3 岸田繁(くるり)
くるりの岸田さんはパープルのTシャツ。
昼間のグリーンステージに爽やかな風が吹いた。
よく見ると,デザインはシューベルトでしたね。
当時は細かいデザインにまで気づかなかったけど。
4 MIKA
さすがはポップ職人のMIKAだけあって,カラフルな色味のTシャツ。
真ん中にプリントされてるのはバンビ?犬?
どちらにせよ,やはり2000年代のトレンドを反映しているようなド派手なデザイン。
というか,これはMIKAの趣味な感じもしますけど。
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そろそろ無地も飽きられるてくることだろうし,また2000年前後のようにダイダイ柄などの,派手なシャツが復権してくるのでしょうね,きっと。
そろそろTシャツの季節です。
気温が上がってくると,ボルテージが上がります。
さあこい!夏!
・・・早いか。