スネイル・ランプのファッションと音楽
少し前に,海外アーティストの秋冬スナップを紹介する記事を書いたときに,普段から交流させてもらっている「むらよしむらよし」※1さんから,
「日本人アーティストでもお願いします!」
とリクエストをいただいていた。
なるほど,面白いアイデアをもらったな。。と,触発され,いくつか候補を挙げてみたが,なかなか記事になりそうなアーティストが見つからなかった。
そもそも私は,かれこれ20年近く,まともに日本人アーティストの曲は聴いていない。
ずっと継続的に聴き続けているのはグレイプバインとスピッツくらいなもので,グレイプバインはあまり着るものにこだわるバンドではないし,スピッツはこの前記事にしてしまった。
じゃあ高校大学の頃に聴いていたバンドはどうかと幾つかCDを探すが,日本人のアーティストって,(特に当時よく聴いていたパンク・メロコア系は)あまり自分たち姿をジャケやブックレットに登場させていないのである。
ハイスタなんかレゴであったり,横山健が描いたシュールなイラストばっかりだし,マッドカプセルマーケッツに至っては,CGのロボットしか写っていない。
「CD探さなくても,ネットで画像検索すれば一発でしょ?」
と言われればその通りだし,そうすればいいのだろうけど,私がこのブログを運営していく上で決めたルールがあって
1.基本的に自分が聴いてきたアーティストについて記事にする。
(見てくれだけで語ることはしない,音楽も含めて語る)
2.ネタは自分が所有しているCDや雑誌から拾ってくる。
このような二項目があり,必然的に候補が絞られてくるのだ。
面倒くさいルールだけど,自分の中での記事のクオリティを一定に保つためには必要なルールなのかなと思っている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
1 スネイル・ランプがいた!
高校から大学の初めにかけて・・・2000年前後の時期に私がはまっていたのは「スカ」と「パンク」を融合させた,所謂「スカコア」というジャンルだった。
このジャンルで代表的なアーティストには,KemuriやPotshotなどがいる。
そんな中で,私が最も熱を入れて聴き込んでいたのが,スネイル・ランプだった。
スネイル・ランプは1995年に結成された3ピースバンド。
一般的に認知されたのは2000年にリリースされたアルバム「フラッシュ・ブラッシュ・オールド・マン」に収録された「B.M.W」などのヒットがきっかけだろう。
ベースのTAKEMURA,ギターのAKIOのツインボーカルが一番の売りだが,突っ走るだけでなく緩急織り交ぜ,スカのリズム感も取り入れた楽曲は当時のパンク、メロコア全盛のシーンにおいても独特の存在感を誇っていた。
ここで私が話題にしているスネイル・ランプとは,TAKEMRA(B,Vo), AKIO(G,Vo),ISHIMARU(D)の三人による編成を指し, AKIO脱退後の編成はここでは扱っていない。
2 スネイル・ランプのファッション
それでは,三人のファッションを見ていこう。
左のAKIOは古着っぽいシャツにチェックのハンチング,サングラスに短パン。
真ん中のTAKEMURAはハットにサングラス,髭,開襟シャツ。
いかにも小洒落たミュージシャンといった装いだ。
今見てもそこまで違和感を感じないから,きちんと自分たちに合うものを身につける人たちだったのだと思う。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
それから2年後,キャリア最高のオリコン1位を記録した「フレッシュ・ブラッシュ・オールド・マン」のブックレットでは,さらに変化した姿を見せている。
まずはTAKEMURA。
テンガロンハット?に,サイズ大きめのTシャツ,ベスト。
イエローのボトムスが映えること。
スニーカーはバンズと見た。
色味のバランス,全体のシルエットもきちんと計算されていて(ベースのストラップの長さも含め),洗練されている。
こちらはAKIO。
2年前のカジュアル仕様から一変して,ストリートファッションに身を包む。
キャップがAKIOのトレードマークだったが,帽子を脱いだら坊主で,それもまた格好良かった。
3 スネイル・ランプの最高傑作
さて,スネイル・ランプの代表作は一般にはオリコン1位の「フレッシュ・ブラッシュ・オールド・マン」と言われるが,私が最も気に入っているのは2002年に出た「グラヴィティ」。
AKIOが参加した最後の作品である。
今朝久しぶりにこの作品を聴いてみたが,短いのもあるけど三回リピートしてしまった。
AKIOのボーカルが軸になる楽曲が多いが,実はそれを支えるのはメリハリあるTAKEMURAのベースと「スカ」向きのコーラス。
この二人と,それを支えるISHIMARUのドラミングが最高の化学反応を見せた傑作だと言えよう。
このアルバムのツアーもまた秀逸で,のちにリリースされたツアーDVDも何度も観た。
それだけに,このツアー後のAKIO脱退は残念だった。
最後に,「グラヴィティ」収録の「ワンナイト・サバイバー」。
やっぱAKIOかっこいいです。
※1 むらよしむらよしさんのブログ