音楽と服

音楽と服について好き勝手に語ります

2022-01-01から1年間の記事一覧

日本人は四つ打ちのビートが好きな民族なのです。なぜなら

私はこれまで,フジロックなどのフェスも含め,洋邦問わず多くのアーティストのライブに何回も足を運んできた。 数が多いので,当然心残りなことはいくつかあるのだが,その中でも一番の後悔が2008年のフジロックだ。 その後悔とはこの年,二日目のヘッドラ…

80年代デヴィッド・ボウイのファッションと現在のトレンドとの共通点を探る

ラルフローレンの公式LINEから,新着メールが届いていた。 そろそろ秋物の提案が始まっているようだ。 ラルフローレンと言えば,ドレスシャツ,カジュアルシャツもラインナップは豊富。 ラルフローレンLINE公式より引用 ラルフローレンのストライプシャツっ…

俺ジャケ「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド・アンド・ニコ」

昔,「ロッキング・オン」に「俺ジャケ」というコーナーがあった。漫画家の天久聖一先生が,古今の名作アルバムのジャケットを勝手にアレンジして描きかえるという企画だ。アルバムのチョイスが絶妙で,しかも説明は一切なし。デザインだけで勝負という潔さ…

ボブ・ディラン,その音楽性の変化とファッション考察

コロナでの療養も1週間が経った。 ぼちぼち味覚・嗅覚障害も改善されてきた。 コーヒーの匂いも分かるようになってきた。 匂いや味を感じられるって,とても幸せなことです。 今回罹患して一番よかったことは,そんな当たり前のことを再確認できたことかもし…

ロックの神様は「持っていない奴」に微笑む

夏の 甲子園が始まった。コロナで家にいるしかないので,ずっとテレビを観ている。開会式の後,始球式があったのだけど,出てきたのが斎藤佑樹だった。ハンカチ王子だ。2006年の夏,田中将大との投げ合いを制して一躍国民的ヒーローになった佑ちゃん。内角高…

「青の男」ジャック・ホワイトが鳴らし続けるギターロック

ジャック・ホワイトと言えば,若いロックリスナーからすると,今年のフジロックでヘッドライナーを務めた,シンガーソングライターなんだけど,やたらギターノイズの激しいおじさんって感じか。 そこそこ年齢のいったロックリスナーなら,「あのホワイトス…

コロナ・ロック・プレイリスト~ポール・マッカートニー「NEW」~

コロナ陽性になった。 一昨日から鼻水,関節痛がひどいと思っていたが,昨日検査して即陽性が判明。 しかも息子2人と妻も陽性。 4歳の次男だけは平熱で元気だったので検査を免れたが,そもそも彼が月曜に発熱していたから,おそらく感染源だろう。 つまり仲…

フジロック戦記2022

地下鉄福岡空港駅の改札をくぐる。 時計を確認すると,18時10分だった。 19時発の羽田行きまであと50分ある。 よし,間に合う。 背中に背負ったノース・フェイスのバックパックは肩に食い込み,右手には折り畳みテント,左肩には折り畳み椅子を下げ,木曜ま…

Dreams

「本物の自分?そんなの,いるのかな?一生,みつからないんじゃないのかな。」 短くなった煙草を灰皿でもみ消しながら,編集長は呟いた。 その目は,向かい合わせに座っている私ではなく,どこか遠い一点を見つめている。 茶色のチェックのジャケットに,少…

メタファイブのラストアルバムはロックの未来を映すのか

メタファイブ,ラストアルバムリリース。 例のごとく,カーラジオを聴きながら帰宅していると,突然ナビゲーターがそう言い放ち,続いて曲紹介に入った。 新曲,「Wife」。 イントロから,もう「おおっ!」と身を乗り出してしまう,2022年にYMOが復活したか…

2000年以降の音楽ムーヴメントとファッショントレンドについての考察

これまで,当ブログでは,60年代後半のヒッピー・ムーヴメントや,90年代前半のブリットポップ・ムーヴメント等とファッショントレンドの関係性について記事にしてきた。 sisoa.hatenablog.com sisoa.hatenablog.com 言わずもがな,音楽のムーヴメントとフ…

ブリットポップお洒落番長・ブラーの今と昔

「ロッキング・オン.com」を眺めていたら,なんとデイヴ・ロウントゥリーがソロでシングルを出していた。 デイヴ・ロウントゥリーとは,イギリスのバンド,ブラーのドラマーとして知られている。 ブラーというバンドは,90年代に起こった「ブリットポップ」…

UKのメランコリックで内省的なバンドが好きだ

私のことである。 なぜか昔から,UK(イギリス)のバンドがつくる曲に惹かれていた。 アメリカのスカっとしたパンクや,大仰なメタルではなく。 ロンドンの曇り空を想像させるような,イギリスのギターロック。 最近,昔買った本を読み返している。 今読んで…

音楽業界のこれからについて勝手に想像してみた

先日,夕方カーラジオを聴きながら帰宅していると,パーソナリティーが音楽業界の今後について,私見を述べていた。 「僕は最終的には音楽ってライブという形態だけが残ると思うんですよね。最終的にはですよ。」 ミュージシャンでもあるそのパーソナリティ…

「白」が似合う男たち

福岡では先日,博多祇園山笠のフィナーレ,「追い山笠」が三年ぶりに行われた。 早朝,テレビをつけたら山笠の中継をやっていて,「山のぼせ」たちの久しぶりの熱気にしばし見入ってしまった。 「追い山笠」は,その年の一番山笠が朝の5時前に櫛田入りし,…

日本人が好きなロック,好きではないロック

先日,演歌と西洋音楽について考えたことを記事にしたのだけど,あれから歌謡曲っぽいメロディーを日本人が好むという持論を昔誰かがしきりに展開していたことを思い起こしていた。 sisoa.hatenablog.com それで,思い出したのは渋谷陽一だったということ。 …

はてなブログを見て買い物よもやま話

はてなブログを始めて1年と半年が過ぎようとしている。 私の場合は「sisoa」として今のブログを始める前に,別のハンドルネームで約3か月活動していたので,活動開始は昨年の2月末だ。 その間,様々な方のブログにお邪魔したり交流をさせて頂いたりして今日…

演歌と西洋音楽について

先日紹介した本「小澤征爾さんと,音楽について話をする」という本の続きを読んでいたら,小澤さんが興味深いことを語っていた。 sisoa.hatenablog.com 小澤:山本直純さんが持っていた「オーケストラがやってきた」っていうレギュラー番組がありまして,そ…

素敵な予感しかしない

中三のとき以来20数年ぶりに一日の中で1時間以上ラジオを聴くという生活を送っている。 代車ではあるが車通勤に切り替えたためで,毎日行きと帰りにカーラジオをかけっ放しにして運転している。 今日はスピッツの「涙がキラリ☆」が朝と夕方で2回かかった。 …

ヒッピー・ムーヴメントとファッションについて

先日,通勤中にカーラジオを聴いていたら 「ポール・マッカートニー,史上最高齢(80歳)でグラストンベリー・フェスのヘッドライナー出演を果たす。」 というヘッドラインニュースが流れてきた。 そうか。 ポールはもう80歳になるんだ。 ということは,2015…

繊維の世界はすごい

昨日,帰宅すると長男と次男が鉄砲ごっこをして暴れていた。 二人とも進研ゼミを習っているのだが,その付録が届いたので,それで遊んでいたようだ。 「危ない。」 と言って長男が持っているのを取り上げた。 こんなの。 「これ,何?」 と長男に尋ねると, …

音楽的ルーツと文体について考えたこと

「小澤征爾さんと,音楽について話をする」という本を読んでいる。 タイトル通り,作家の村上春樹さんが世界的マエストロ・小澤征爾さんと数回に分けて対談した時のことを書き下ろしたというものだ。 小澤征爾さんと、音楽について話をする (新潮文庫) 作者:…

極彩色の男たち

LINEでラルフローレンの公式アカウントを登録しているのだが,先週新作ラインナップのメールが届いていた。 メンズはこのようなコーデの提案。 「ラルフローレンLine公式アカウント」より カラフルなパーカーと,ダメージデニムでレトロな雰囲気を漂わせてい…

レンタル・カー

先月,「車がない」と題して,昨年10月に契約した新車がまだ納車されないことを少し愚痴っぽく記事にしていた。 その顛末。 sisoa.hatenablog.com 結論から言うと,納車はまだ。 ディーラーのお兄さんの釈明によると,八月末までずれ込むそうだ。 最早その…

父の日のサプライズ?

先週日曜のこと。 我が家の,リビングから台所に通じる戸に,貼り紙がしてあった。 我が家は,リビングを中心に台所,風呂手洗い場,寝室,子ども部屋,仕事部屋と各部屋が廊下なしで繋がっているという変わった造りをしている。 そのため,リビングから手洗…

ブックレットで振り返るオアシスのファッション遍歴

前回記事の,WEEZERのファッション遍歴を追う企画が結構自分の中で楽しめたので,他のアーティストでまたやれないかなあと考えていた。 sisoa.hatenablog.com CDが揃っているのは,オアシスだ。 そこで,オアシスのデビュー当初から解散後までのファッション…

アルバムジャケットで検証するWEEZERのファッションと流行の変遷

ザ・ビートルズの「プリーズ・プリーズ・ミー」のジャケ写は,ご覧のようにビルの一角から階下を見下ろした4人の笑顔。 数年後,30歳前後となったメンバーは同じ場所で同じように撮影を行い,この写真はベスト盤(通称「青盤」)にも使われた。 それにして…

「音楽」へのリスペクトに溢れたYOASOBI「THE BOOK Ⅱ」を聴いて

YOASOBIのCDを買った。 だから何? と言われたらそこまでだけど,私がですよ。 いつものCD屋で買った。 かれこれ10年近く通っている店だから,店員にも覚えられていると思う。 洋楽やジャズなどのCDを中心に買っていくので,「わりと硬派なチョイスをするね…

「オアシス」を葬り去ったリアムの「今」

リアムの新作「C'MON YOU KNOW」 ここに,リアム・ギャラガーの新作「C'MON YOU KNOW」がある。 リアム・ギャラガー。 イギリスはマンチェスター出身のロックンロール・ボーカリスト。 90年代前半には兄でギタリストのノエル・ギャラガーとともに,ロックン…

本物のトラッドマンは誰だ?

先日,仕事帰りにコンビニに立ち寄り,雑誌棚を眺めていると,「メンズ・ファッジ」最新号を見つけた。 手にとって表紙を確かめると,「今年は迷わずサマートラッド。」という特集タイトルが目に入った。 「なるほど,今回はそういう切り口ね。」 と思ったが…